斜面に置いた物体の重さは?
さて、問題です!下の図のように10㎏の重りを少し傾いた斜面にはかりを置いた状態で乗せると目盛りはどうなるのでしょうか?
正解は①の軽くなるでした!
なぜそのようになるのか考えていきましょう。
斜面に置かれた物体にも重力は真下の方向にはたらきます。しかし、はかりが測定する値は斜面に対して垂直な方向にはたらいた力になります。
上のイラストを見るとわかりやすいですが、はかりが測定しているのは、斜面に垂直な力だけなんですね。下向きの重力と比べて、斜面に垂直な力は小さくなるので、はかりの値は小さくなります。
このように、1つの力を同じはたらきをする2つの力に分けることを力の分解といい、できた力を分力といいます。
力の合成と全く逆のことをやっているイメージですね。
垂直抗力は、斜面に対して垂直な方向にはたらきます。なので、垂直抗力=斜面に垂直な力となります。斜面に平行な力はつり合いで消えないため、物体を動かす力になります。
分力の作図をしてみよう!
分力の作図も力の合成と同じように、平行四辺形を作ります。実際に三角定規を動かして書いてみてください。
荷物を2つのひもで引く時の力
つな引きの強いチームの戦略を知っていますか?
コツは2つで、チームで息を合わせて引くことと、もう一つはつなに対して平行に引くことです。
なぜつなに平行に引くと強い力がでるのでしょうか?下のイラストを見ながら考えてみましょう。
ポイントは2つのひもの角度です。2つのひもの角度が小さいほど、力の分解を行った時の分力の和は小さいですが、角度が大きいほど分力の和が大きくなるので、同じ質量の荷物を持ち上げるのに必要な力は大きくなるというわけですね。
まとめ
1つの力を同じはたらきをする2つの力に分けることを力の分解といい、できた力を分力という
2つの分力の角度が小さいほど、分力の和は小さくなる
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