2つの力を合成しよう!
重たい荷物を2人で引っ張りました。
この時、同じ方向に1人は10Nの力で、もう1人は20Nの力で引いたとすると、荷物はどのくらいの力で引かれたことになるでしょうか?
正解は、10N+20Nで30Nの力で引かれていることになります。
つまり、10Nと20Nの2つの力は30Nの1つの力とはたらきが同じということです。
2つの力は同じはたらきをする1つの力に書き換えることができます。
このように、1つの力を求めることを力の合成といい、合成した力を合力といいます。
力の合成は、同じ方向の力だけでなく、逆方向の力も合成することができます。
例えば、左向きに3Nの力と左向きに5Nの力の合力は、左向きに8Nとなりますが、左向きに3Nの力と右向きに5Nの力を合成すると、合力は右向きに2Nの力となります。
合力は、同じ方向に力が加わった時は2つの力の和に、逆方向に力が加わった時は、大きな力のほうに、2つの力の差の分だけはたらくというわけです。
2つの力が一直線上にない時の力の合成
上の例では、2つの力は一直線上にありましたが、次に2つの力が斜め方向にかかった時の合力はどうなるのでしょうか?
今回は、斜め方向に引いた2つの力の大きさと合力の大きさの関係を調べる実験をしました。
下の写真の装置を使って、2つのばねばかりで、輪ゴムを同じ場所まで、引っ張ってその時のばねばかりの値の測定をしました。
ばねばかり1本で引いた時は1.4Nでしたが、
60°では、2本とも0.8N、120°では、2本とも1.2N、90°では、0.8Nと1.2Nという結果でした。
この結果から、まっすぐ1つの力で輪ゴムを引くときよりも斜め向きの力を合成して、2つの力で引くときのほうが、必要な力の大きさの和が大きくなっていることがわかります。
さらに、2つの力の角度が大きいほど、必要になる力の和も大きくなることもわかりました。
2つの力の合力は平行四辺形で決まる
上の実験の結果を言い換えると、2つの力の角度が小さいほど2つの力の合力は大きくなると言えます。
2つの力とできた合力を作図すると、下の図のように、合力は平行四辺形の対角線になります。
平行四辺形の作図の仕方
合力の求め方がわかったところで、作図の方法を説明します。
三角定規を使った方法と、コンパスを使った方法の2種類がありますが、今回は三角定規を使った方法を紹介します。
実際に三角定規を動かしながら作図を行うと理解が深まると思います。
①1つの力に三角定規の直角がある辺を合わせる。
②合わせた辺と直角を作っているもう一つの辺に定規を添える。
③定規を固定したまま、三角定規をもう1つの力の矢印の先端まで、平行に動かして、平行な直線を長めに書く。
④反対側も①~③を行い平行四辺形を作図する。
⑤平行四辺形の対角線を結んで、合力を作図することを忘れない。
上のイラストのように作図ができれば完璧です!少し難しいので、ぜひやってみてください。
まとめ
2つの力をまとめて同じはたらきをする1つの力にすることを力の合成といい、できた力を合力という。
合力の大きさは同じ向きなら2つの力の和、逆なら力の差、斜めなら平行四辺形の対角線になる。
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