セイロンベンケイの殖え方
すべての生物は自分の子孫を残そうとします。なぜなら、子孫を残せない種は絶滅してしまうから、遺伝子の中に種を残すようにプログラムされているんです。
生物が自らと同じ種類の新しい個体を作ることを生殖といいます。
生殖には2種類あって、1つの個体から新しい個体をつくる無性生殖と、オスとメスのといった2つの個体から新しい個体を作る有性生殖の2種類があります。
植物は花粉と通して受精し、種をつくって新しい個体をつくる有性生殖が基本ですが、セイロンベンケイという植物は1つの葉っぱから無性生殖で新しい個体を作ることができます。

セイロンベンケイの葉からたくさんの葉の元が生えています。この葉が地面に落ちると葉から、新しい個体が生まれます。
葉を乾燥させないように水を入れたお皿の上にセイロンベンケイの葉を置いておくと2週間ほどで新しい個体が作られ始めました。
葉から生えた新しい個体は、根や茎ができているのがわかります。
この殖え方(ふえ方)を無性生殖といいます。無性生殖は体細胞分裂によって新しい個体を作っています。
無性生殖の種類
無性生殖を行う生物は、セイロンベンケイ以外にもゾウリムシや酵母のようにいろいろいますが、その分裂方法の特徴によって無性生殖はいくつかに分類分けされます。
栄養生殖
セイロンベンケイのような植物の体の一部から新しい個体ができる殖え方をいいます。
栄養生殖は体の一部に栄養(デンプン)を蓄えてその養分を使って、新しい個体を作ります。
栄養生殖は農業に利用されていて、じゃがいもやさつまいもは、受粉によっても殖えますが、いもを地中に埋めることで、栄養生殖によっても殖えることができます。
栄養生殖は体細胞分裂なので、おいしいいもの種と同じ遺伝子を持ったいもがそのままできるので、同じおいしいいもを作ることができるメリットがあります。
ちなみに、じゃがいもは茎に、さつまいもは根に栄養を蓄えています。
ほかには、オニユリやイチゴ、チューリップは栄養生殖をします。
同じような殖え方は、さし木や取り木があります。
さし木は茎を切り取って、土に埋めて茎から根などを育てて新しい個体をつくります。
取り木は、枝を傷つけて栄養をそこに蓄えてから、新しい個体をつくります。
分裂
この殖え方は体を半分にして、1つの個体が2つに分裂することで新しい個体を作ります。
単純な体のつくりである単細胞生物の多くは分裂を行います。
例えば、ゾウリムシやアメーバ、イソギンチャク、プラナリアがこの分裂をしています。
ちなみに、ゾウリムシは分裂によって殖えますが、実はオスとメスの区別(のようなもの)があって、接合という遺伝子の交換を行っています。
出芽
出芽を行う生物はあまりおらず、殖え方がいまいちわかりずらいですが、ヒドラが出芽をして個体を作っていることは知っておいてください。
出芽は親の個体から突起(芽)が出てきて、それが成長して新しい個体になります。
ヒドラはミジンコなどを食べるとても小さいクラゲのような生物というイメージでいいです、怪物のように再生能力が高くて多くのヒドラの研究がなされています。
まとめ
生物が自らと同じ種類の新しい個体を作ることを生殖という
体細胞分裂による生殖を無性生殖という
無性生殖の中で植物が行うものを栄養生殖という
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