ジェットコースターの高さと速さの関係
高いところにある物体を落とすと、だんだんと速さが大きくなります。例えば、スカイスリーの頂上からものを落とすと落ちる時には、時速200㎞にもなっています。
高いところにある物体は位置エネルギーを持っています。物体が落ちると位置エネルギーを失いますが、物体の速さが大きくなるので運動エネルギーが大きくなります。
このように、位置エネルギーは運動エネルギーに変換することができます。その逆でボールを上に向かって投げると運動エネルギーを位置エネルギーに変換することができます。
位置エネルギーと運動エネルギーは互いに移り変わります。
位置エネルギーと運動エネルギーの2つを合わせて力学的エネルギーといいます。
ジェットコースターに乗ると電気を使って、少しずつ上がっていき、位置エネルギーをためて、一番上まで行くと位置エネルギーを運動エネルギーに変換することで、あのものすごいスピードで落ちていくことができています。
ジェットコースターの落ちている時は、電気の力ではなく位置エネルギーによって運動エネルギーを取り出しているんですね。
力学的エネルギー保存の法則
位置エネルギーは運動エネルギーに変換されます。斜面を下る台車の持つエネルギーを考えてみましょう。
台車がA→B→Cと斜面を下っていく時、台車のある位置は低くなっていくので、位置エネルギーは小さくなります。しかし、斜面を下るほど台車の速さは大きくなくので、台車が持つ運動エネルギーは大きくなります。
位置エネルギーと運動エネルギーをグラフにして表すと下の図のようになります。
位置エネルギーと運動エネルギーの大きさを足し合わせると和は一定になります。
力学的エネルギー=位置エネルギー+運動エネルギー=一定 ということです。このことを力学的エネルギーの保存といいます。
振り子の運動でも考えてみましょう。振り子の場合も運動の仕方は違いますが、力学的エネルギーの保存が成り立ちます。
振り子の場合は一番上に球が来た時に運動エネルギーが0になり、一瞬静止します。この時、位置エネルギーは最大になります。
逆に球が一番下に来た時、運動エネルギーが最大になるので、一番物体の速さが大きくなります。
力学的エネルギーの保存が成り立つ条件
振り子はひもとおもりで簡単に作ることができます。しかし、振り子はいずれ止まってしまいます。
力学的エネルギーの保存が成り立つなら、位置エネルギーと運動エネルギーが移り変わるだけなので永遠に動き続けるはずですが、実際は振り子は止まってしまいます。
地球上にある物体が動くと、空気抵抗や摩擦がはたらくので、力学的エネルギーの一部が熱や光に変わってしまうので、振り子は止まります。
空から降ってくる雨粒は、とても大きい位置エネルギーを持っていますが、当たってもそこまで痛くはありませんね。
このように、地球上で力学的エネルギーが保存されることはほとんどありません。空気抵抗や摩擦がない宇宙空間では、力学的エネルギーの保存が成り立ちます。
まとめ
位置エネルギーと運動エネルギーは互いに移り変わる
力学的エネルギー=位置エネルギー+運動エネルギー=一定になることを力学的エネルギーの保存という
力学的エネルギーの保存は空気抵抗や摩擦があると成り立たない
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