ソラマメの根はどう伸びる?
私たち生物の体は生まれた時から成長を続け大きくなっていきます。
生物の体が大きくなるメカニズムを考えていきましょう!
さて、問題です。少し伸ばしたソラマメの根に5か所マジックペンでマークをして、根を伸ばしました。根にある点は成長するとどのように移動するでしょうか?

この実験で、根のどの部分が成長しているのかがわかります。結果はこのようになります。

根の先端に近い場所が伸びて、それ以外の場所はあまり伸びないことがわかります。
つまり根の先端に近い細胞が、成長にかかわっているということです。ちなみに、根の一番先端は死んだ細胞が集まっています。根の先端は土を掘る時に強い力がかかりすぎるので、その圧力で死んでしまうのです。
今回は生物の成長がどのように行われているのかを解明していきます。
まず、生物の体は細胞が集まってできています。体が大きくなるということは細胞に変化があるということです。
細胞が変化するメカニズム
細胞が変化するメカニズムは、最初に細胞が2つに分かれた後、1つ1つの細胞が大きくなることで、体が大きくなります。

生物の体はこの細胞が増えていく仕組みによって成長していきます。
成長というと子供のころだけな気がしますが、私たちの体は日々、細胞が分裂して新しい細胞をつくっています。それは日々細胞が死んでいっているからです。
このように1つの細胞が2つに増えてることを細胞分裂といいます。細胞分裂している時細胞の中身はどのようになっているのか見てみましょう。
細胞分裂の時の細胞の様子
細胞は細胞膜におおわれ、中には核などがあり、細胞質で満たされています。核は細胞1つの中に1つなので、細胞を2つに分ける前に核を2つに分けなければいけません。
核の中には染色体と呼ばれる遺伝にかかわる物質が入っています。
ちなみに人間の場合は23組46本あり、この染色体の中に書き込まれている情報によって私たちの体は作られています。
核を2つに分けるためには、まず染色体を2倍にしてから2つの核に分けなければいけません。細胞分裂している時の細胞の様子をイラストでみてみましょう。

細胞分裂の初期に①染色体が見え始めます。この時、染色体の数を2倍に増やす複製を行っています。
②複製した細胞はセットになり、上下(左右とも)に分かれた後、
③中心体からでた糸のようなもの(紡錘糸)によって引っ張られます。
④引っ張られた染色体は中心体に集まり、新しい核を作りはじめ、細胞の間にしきりを作り始めます。
⑤染色体が見えなくなり、細胞質もわかれることで、2つの小さな細胞になります。
⑥1つ1つの細胞が大きくなって2つの細胞になります。
このようにして、1つの細胞が2つになります。
染色体を複製して、元の細胞と同じ細胞を2つ作る細胞分裂を特に体細胞分裂といいます。
細胞分裂の種類は他に染色体を半分にする減数分裂があります。
タマネギの細胞を観察しよう!
タマネギの根本を水の中に入れて、根を伸ばします。
根の先端に近い場所を切りとって3分ほど塩酸に浸します。その後、スライドガラスに乗せて押しつぶした後、酢酸カーミン液(酢酸オルセイン液)をかけてしばらく待った後、カバーガラスをかけて顕微鏡にかぶせて観察します。
すると根の先端に近い細胞ほど、小さい細胞が見えてその中に染色体が見えるものや、2つに分かれかけている細胞を見ることができます。
まとめ
1つの細胞が2つに分かれることを細胞分裂という
細胞分裂の中でも分裂前と同じ細胞ができるものを体細胞分裂という
体細胞分裂の時に染色体を2倍にすることを複製という
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