水に溶かすと電気が流れる物質・流れない物質【電解質】

目次

水は電気を通す?

プールに雷が落ちたら、プールの中にいる人はどうなるでしょうか?3択で選んでください。

①全身が感電する 

②プールに入っている部分だけ感電する

③感電しない

 

今回は水に電気は流れるかについて考えていきたいと思います!

問題のプールに雷が落ちた時どうなるか、プールの水に電気は流れるので、答えは②プールに入っている部分だけが感電します。

 

しかし、水は電気をほとんど通しません

でも、プールの水は電気を通します。じゃあ、なにが違うのかというと、中に何が溶けているかが重要なんです

プールの中には塩素などの消毒用の物質が溶け込んでいます。ただの水は電流を流しませんが、塩素が入っていると水に電気が流れるようになるんです。

実験して確かめてみましょう!

 

水に電気が流れるか調べるために精製水(超純水などとも呼ばれる)を使います。

精製水は不純物が全く入っていない完全なH₂Oです。なんかきれいな気がしますが、この精製水だけを飲んで生活するといずれ死んでしまいます。その理由については後で説明します。

水道の水じゃだめなの?と思いますが、水道の水には消毒用の塩素やマグネシウムなどの軽金属が入っています。

なにも入っていない水を使いたいので、今回の実験は精製水で行います。

 

軟水や硬水という言葉を聞いたことがあるかもしれません。柔らかいとか硬いとかっていうのは金属がどのくらい入っているかを表しています。

硬水のほうが金属がたくさん入っていて味が違います。日本の水は山が多いので、軟水ばかりです。ぜひ外国の水も飲んでみてくださいね!

 

さて、精製水を使った実験です。

【実験】

ビーカーに精製水を入れ、電極を入れて、電源装置と豆電球をつなぐ

 電極には2本の金属の棒がささっていて、この2本は離れていますが、水に電流が流れたら水を通った電気が伝わって、豆電球が付くという仕組みです。

②電源装置の電圧を5Vにして豆電球が付くか調べる

③精製水に砂糖食塩塩酸などを加えて、電球が付くがそれぞれ確かめる

 ※この時に、使った器具に前の実験の物質が残らないように、1つの物質を調べた後は、電極やビーカーを精製水で洗ってきれいな状態にしてから、別の物質の実験を行いましょう。

電極は内部では接触していない2つの金属板がくっついたものを使います。

【結果】

溶かした物質豆電球溶かした物質豆電球
なし(精製水)小麦粉
砂糖(砂糖水)塩化水素(塩酸)
食塩(食塩水)水酸化ナトリウム

上の写真は、食塩水で実験を行った時の様子です。

電極から泡がでてます。そして食塩水が黄色く変化していますね。電気によって変化があったことがわかりますね。

 

他の電流が流れた水溶液はコチラです。

水に溶かすと電流が流れた物質は食塩、塩化水素、水酸化ナトリウムでした。

これらのように、水に溶かすと電気を流すようになる物質を電解質といいます。一方砂糖や小麦粉のように水に溶かしても電流が流れない物質を非電解質といいます。

 

塩化水素は酸性水酸化ナトリウムはアルカリ性であることですね。酸性とアルカリ性の物質は電解質です。が、中性の食塩も電解質なんですね。

電解質と非電解質の違いについてはコチラの記事で説明しています。

 

アクエリアスやポカリみたいなスポーツ飲料のキャッチコピーでたまに「失った電解質を取り戻す」と書いてあるものがあります。あと、熱中症対策で塩分を取り入れるっていうのを聞いたことがあると思います。

私たちの体に、電解質は必須です。理由は私たちの体は電気信号で動き、電気信号が速く伝わるほど、体のパフォーマンスは上がるからです。

体の60%が水分で、その中に電解質が入っているから体を動かすことができます。この電解質が汗などで出て行ってしまうと、体の動きが悪くなってしまいます。だから、スポーツ飲料や塩分などを飲んだり、食べたりする必要があるんですね。

逆に、電解質が入っていない精製水で生活すると電気信号を伝えられなくなっていずれ死んでしまいます。

まとめ

混ざりものが入っていない水を精製水といい、電流を流さない

水に溶かした時、電気が流れるようになる物質を電解質、流れない物質を非電解質という

食塩や塩化水素、水酸化ナトリウムは電解質

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この記事を書いた人

私立中・高一貫校の現役理科教員です。
専門は生物学で、中学・高校理科の教員免許を持っています。
子供のころ勉強に使っていた学習サイトを自分でも作りたくでトライし始めました!
理科の授業を「何度でもふりかえる」ことが出来るように、知識+思考力がつくサイトにしていくのでよろしくお願いします!

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