雷を作ってみよう!
↑こんなような看板などに使われているものです。使われていたのは結構昔なので、最近はあまりみませんね。
ネオンサインはいろいろな色を出すことが出来て、お店を派手にできるので使われていましたが、LEDの登場によって見なくなりましたね。
LEDの最大のメリットは色を自在に変えられることなので、ネオンサインのメリットがなくなってしまったんですね。
放電
ネオン管や蛍光灯の中身には、ネオンや気体の水銀などの電流が流れると紫外線を発生させる気体が使われていて、それによって光を放っています。
しかし、空気中にも超高い電圧をかければ、電流が流れます。
空気に電流が流れるとどうなるでしょう?
雷?
そう!雷は雲にたまった電気が雲の中を流れたり、地面に流れる現象だね!
空気などの電流を流しにくい気体中を電流が流れたりする現象を放電といいます。
特に雷みたいに、大きな音と光を出す放電を火花放電といいます。
電流の正体は?
誘電コイル
装置を使っても雷のような空気中の放電を引き起こすことが出来ます。
その装置が誘電コイルです。
誘電コイルは数万Vの大きな電圧を発生させることができるので、空気中に電流を流せるわけです。
片方は針状に、もう片方は皿状になっています。
電圧をかけると
このように放電がみられます。
ちなみに+極と-極を入れ替えるとこうなりました。
POINT誘電コイルは大きな電圧をかけられる
真空放電
次に蛍光灯の仕組みについて調べていきましょう。
誘電コイルを使ってガラス管を光らせてみます。
今回実験に使うのは少し特殊なガラス管です。
真空ポンプを使って、ガラス管の中の空気を減らして気圧を小さくしています。
普通のガラス管じゃ電流が流れないんだ!
気圧を小さくすることによって電流が流れてガラス管が光ります。
白い光がみえますね。
誘電コイルを使って、内部の気圧が違う6本の真空管に電圧をかえるとこのような色の変化がみられました。
ガラス管内の気圧の違いによってこのように色に差が生まれます。
写真だと色が写りにくかったんですが、2.6Paの管は細い青色の筋のように見えました。
カラフルできれい!
これが真空放電です。
クルックス管で電子の流れを見よう!
真空放電を利用して電流の正体を解き明かしましょう!
クルックス管は真空管を利用した道具で、さっきのガラス管と同じように中身の気圧を下げていますが、クルックス管は1.3Pa以下まで気圧を小さくしています!
気圧をめちゃくちゃ小さくしたおかげで電圧をかけるとこのような緑色の線が出ているのが見られます。
なんかライトセーバーみたいでカッコいいですね!
クルックス管の右側の風車のようなものを置くと、右側に影が出来ます。
ということは、この緑の線は左側の-極から出ていることがわかりますね!
-極(陰極)から線が出ているのでこの緑の線は陰極線と名付けられましたが、今は電子線と呼ぶことの方が多いです。
電子線って何?
今日の課題電子線の正体は何だろう?
電子線によって、影ができるということは、-極から「何か」が出ているということです。
この「何か」を解き明かしていきましょう!
電子線は電流の流れだから磁石で動くかもしれない!
そう!電流は磁界によって動くことをフレミングの法則で学びました。
電子線の場合も動くんでしょうか?実験してみます。
クルックス管にU字磁石を近づけてみましょう。
S極を手前、N極を奥にすると
電子線が上に動きました!
フレミングの法則に当てはめてみましょう!左手を用意してくださいね。
磁界(人差し指)はN極からS極に向かっていて、力(親指)は上向きですね。
残りの中指は右から左の方向になります。
つまり電流は右から左に流れているんですね!
「何か」は-極から出ているのに電流は+極から-極に流れている!?!?
めちゃくちゃ不思議ですね!どういうことか説明します。
最初に理解しないといけないのは電子という粒です。静電気の実験で出てきましたね。
電子は「-の電気」を帯びていました。
この電子が-極から+極に動いているので、クルックス管に影が見えたんです。
しかし、電流は+極から-極に流れると考えてきましたが、これは電気の粒が+の電気を帯びていると考えた場合です。
実際の電子は-の電気を帯びているから逆になるということですね。
つまり、電流の正体は電子ということなんです!
POINT電流は+極から-極に流れる
しかし、電子の動きはその逆で-極から+極に動いている
「電流の向きと電子の移動する向きは逆」ってことをおさえよう!
問題クルックス管に電圧をかけたら電子線はどうなる?
さて、どうでしょうか?
磁界を近づけた場合は、フレミングの法則で電子線が移動しましたね。
クルックス管の上側に+極、下側に-極を陽子して電圧をかけると、どうなるでしょうか?
電子線の正体は電子なので、電圧によって移動します。
電圧は電流を流すことが出来る力のことで電流を+極から-極に流しましたね。
電流と電子の移動する向きは逆なので、電子線が+極がある上向きに曲がるということです!
POINT電子線は磁界や電圧によって曲げることができる!
今日のまとめ電流が流れにくい空気中などに電流が流れる現象を放電という
電流の正体は電子の移動
電流の向きと電子の移動する向きは逆向き
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