トゲが痛いのはなぜ?
オレに触れられるもんなら触れてみなっ!
どうしたの?テンション高いね。
しかし、ハリネズミに触れると痛いね!
当然!なんたって5000本も針があるんだから!
ふむ、じゃあなんで針に触ると痛いんだい?
そりゃあ、とがっているからさ!
とがっている=痛い、確かにそうだね。
ハリネズミは力持ちってことさ!
ん?そうなのかな?痛い=力持ちってわけではないんだよね。
今回はハリネズミに触れると痛い理由を“物理的”考えていきましょう!
楽しみだね♪
力と面積の関係
大きな力がはたらくと当然痛いよね。
プロボクサーのパンチは絶対痛い!
プロボクサーは大きな力を与えることができるから、痛いっていうのはこれまでの学習でわかるけど、ハリネズミの針が痛いことと力はどんな関係があるんでしょうか?
ハリネズミを間違えて握ってしまった場合を考えてみよう。
どんな場合だ
ハリネズミを握る時と野球のボールを握る時の力と痛さを比べてみましょう。
まずは力に注目すると間違えてハリネズミを握ったときもボールをにぎった時も同じ力で握ったとしても、ハリネズミを握った時の方が痛いよね。
“痛さ”と“力”は関係ないのかな?
さて本当にそうでしょうか?
ハリネズミを優しくなでた時と強く握った時の痛さを比べるとどうでしょう?
やさしくなでれば痛くないぞ!
ですね。つまり“痛さ”と“力”には関係があるんだ!
力が大きければ痛さも大きくなるんですが、それ以外にも針とボールの違いがあります。
針とボールの違いが何かわかりますか?
鋭いか滑らか、かな??
はい、もう少し物理的に言うと「触れる面積」が違うんです!
針の場合は、先端の一部しか手に触れないのに対して、ボールは手全体で触れていることがイメージできるね。
この触れる面積が小さいほど“痛い”と感じるんだ!!
そもそも痛いって何?
良い疑問だね!
痛いっていうのは人それぞれ違う感覚だよね。人それぞれ違うものでは、ある人はこれは痛いといっても他の人は痛くないって言うかもしれないよね。
それじゃあ、基準としてあいまいだよね。
100Paと200Paを比べると200Paの方が痛いってわけだ
そう!例えば5㎝って言われたら誰でも同じ長さを測れるし、200gって言われたら同じ重さがわかるね。
痛さは、「圧力」という単位を用いて表現することができます。
単位を知れば知るほど、伝えたいことに正確に伝えることができるようになるよ!
今回はそんな便利な「圧力」について学んでいきましょう!
圧力の計算
圧力の単位は〔Pa〕(パスカル)という記号を使って表します。
例えば200Paというように書きます。数字が大きいほど大きな圧力がかかっているってことです。
100Paと200Paを比べると200Paの方が痛いってわけだ
少し実験をしてみましょう。
えんぴつかシャーペンの先を両手ではさんで押してみてください!
とがっている方が力が大きいから痛いよ!
とがっている方が力は大きいのかな?ホントかな?
力について少し考えてみましょう。
実はさっきの質問の場合は、両方から押しているから左右にかかる力は同じなんだ。
力は同じなのに圧力が違うってこと?
えんぴつの両端にかかる「力」は等しい
そういうことさ。指に触れている面積に注目してみよう。
えんぴつの先は触れる面積が小さいけど、反対の底は面積が大きいね。ハリネズミの針のように、面積が小さいほど圧力は大きくなるから同じ力でも痛さ(圧力)が変わるってことさ。
えんぴつの先はPaが大きくなるんだね!
「圧力」は「面積」によって変化する
圧力の計算
さて、実際に圧力の計算をしてみましょう!
、、、難しそう
そんなことないです!圧力はこの式に当てはめるだけ計算することができます!
力と面積だけで決まるんだね
この式を使って計算の練習をしてみよう!!
20Nの力が4m²の面にはたらいているときの圧力は何Pa?
公式に当てはめればいいね!
最初に紹介した公式を見た目で分かりやすく計算できるようにしたものがあるんです!
なんと!そんなものが!?
それがコレ!円盤の中に3つの要素が書いてあって、調べたいものを隠すと計算式が浮かびあがってくるんです!
どうやって使うの?
この問題の場合は「圧力」を求めたいから円盤の圧力の部分を隠します。
力÷面積になるね!
この式に当てはめて計算すれば、簡単に答えを出すことができます☆
力が20Nで面積が4m²だから
20N÷4m²=5Pa
ってわけです!
めっちゃ簡単だ!
この調子で別の問題にも挑戦してみよう!
3m²の面に6Paの圧力がかかっている時の力は何N?
これも円盤を隠せばいいんだね♪
今回求めたいのは力だからこんな感じになります!
圧力×面積だね!
というわけで
6Pa×3m²=18N
になります。
ある面に100Nの力を加えたら、圧力が200Paになった。この面の面積は何m²?
もう慣れてきたね♪
面積を隠すと力÷圧力になるからそのまま計算しましょう。
100N÷200Pa=0.5m²
楽勝ですね☆
圧力の公式さえ覚えてしまえば、簡単に計算できます!
とにかくこの公式だけ覚えておけば計算問題は攻略することができます。
力は強いから上にあるんだね!!
それはちょっとわからん、、、
ただ!この円盤を使った解法はあんまりオススメではありません!!
計算問題が全く解けない!なんとしてもテストで正解しないといけない!って人は使ってもいいかもしれませんが、この方法には“本質“がありません。
本質って?
圧力の本質は力が2倍になれば、圧力も2倍になるし、面積が2倍になれば、圧力は半分になるっている比例・反比例の関係です。
ただ値を代入して結果を出すだけだとこの関係がわかりにくいから問題を解くだけならいいんですが、深くは理解できないから基本の公式から計算を行って本質がわかった上で楽しく計算問題を解いてくださいね!
物体がかける圧力
公式がわかってきたところで、ハイレベルな圧力の問題にも挑戦してみよう!
どんとこい!
例えば、このような物体が床に置かれている時の圧力を計算してみよう!
力と面積を調べればOKだね
はい、どんな問題であれ、「力」・「面積」・「圧力」のうちの2つがわかれば解くことができます!
力は簡単だね。100Nの物質だから力も100Nかかります。
面積は少し計算がいりますね。
床に触れている面について考えればOK。だから、2m×1mの面と計算すれば、面積は2m²になります!
あとは圧力の式に代入すればいいね!
というわけで答えは50Paになります!
1つ1つ考えていけばいいんだね♪
もう少しレベルアップした問題にも挑戦してみよう!
単位が変わった!
でも落ち着いて、Nとm²に直せばOKさ!
まずはkgをNに変換しよう!
1㎏=10Nだったね!
うん!ってことは6kgは何Nかな?
60N!!
大正解!
面積もその調子で考えてみよう!
30㎝と10㎝の面が床についてるね
さて、何m²になりますか?
300㎝²になるから3m²?
残念っ!それはよくある間違いです。1m²=100㎝²としてしまいがちなんですが、違うんです。
1m=100㎝じゃないの?
分かりやすく図を使って面積の計算をしてみます。
1m²=10000m²になるんだね!!
図を使うと分かりやすくですよね。面積はちゃんと図を書いて考えよう!
1m=100㎝ だけど 1m²=10000㎝²!!
圧力の計算をする時は必ず“m²”で行うから最初から㎝の単位をmに変換しておくとミスを少なくできます!
縦と横のどっちもmに変えておいてから
m²を計算しましょう!
60Nと0.03m²がでたね!
後は公式に当てはめるだけ♪
60N÷0.03m²=2000Pa
結構大きい値だね
最初の方にやった計算問題は例として小さいPaで計算してるけど、実際身のまわりにある物体がかけている圧力を計算すると結構大きな値になります。
試しに、教科書を600g、20㎝×30㎝として計算してみてね。100Paになるはずです。意外と大きい圧力だよね。
身のまわりの圧力は意外と大きい
圧力の利用
“かんじき”という道具を知ってますか?
なにそれ?
雪が降らない地方には縁がありませんが、雪の降る地域の人たちが使っている足につける道具でこんなやつです。
かっこいいけどなんか意味があるの?
この道具は圧力の原理を最大限に利用している賢い発明品なんだ!
かんじきを履くと、どんな変化があるかでしょうか?
面積が大きくなる?
その通り!雪と触れる面積が大きくなるってことは、学習の最初でやったえんぴつの実験の持つ側と同じように、圧力が小さくなりますね!
雪にかかる圧力が小さいと、
沈みにくくなる!!
ってことでかんじきは雪がたくさん降ってもスムーズに歩けるような道具なんだね!
同じ仕組みを利用した遊びがありますが、さてなんでしょうか?
スキーとスノーボード!
大正解!どっちも雪と触れる面積を大きくして滑らかに滑ることができるようになってますね!
ほかにも画鋲(がびょう)も圧力の仕組みを利用していて、壁に刺す面積を小さくすることで、小さな力で大きな圧力を生み出して紙などを貼り付けることができているんです!
身近なところに利用されているんだね!
圧力〔Pa〕=力〔N〕÷面積〔m²〕の公式で計算できる(1m²=10000㎝²になることに注意!)
面積が小さいほど反比例して圧力も小さくなる
圧力は画鋲やかんじきなど身近なものに利用されてる
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