気団の通過
「今日は昼頃から急に寒くなります」って天気予報で聞いたことがありますよね。
気温の変化ってだんだんと起こるんじゃないの?
たしかに、太陽に暖められるから14時ごろをピークに気温が上がって、だんだんと下がっていくと学びましたね。
ただ、急激に気温が変化する時もありました。いつか覚えていますか?
雨が降る前!
そうですね。雨が降る前は、気温が下がって、風にも変化がありました。
気温の変化は2種類あって、
・同じ空気が太陽に暖められたり冷えたりしてゆっくり変化するパターン
・違う空気のかたまりがやってきて急激に変化するパターン
この2つがあります。
空気にかたまりがある??
実はそうなんです。
気温や湿度が同じ空気は大きなかたまりとして移動します。
この空気のかたまりを気団といい、冷たい空気をもつものを寒気団(かんきだん)、あたたかい空気をもつものを暖気団(だんきだん)といいます。
また、2つの気団の境目を前線面といい、前線面と地表の面が交わってできる線を前線といいます。
気団には冷たい空気からできる寒気団とあたたかい空気からできる暖気団がある
境界全体が前線面で、1本の線になっているから前線なんだね
冷たい空気とあたたかい空気では、冷たい空気の方が密度が大きいから、前線面の下に寒気団、前線面の上に暖気団があります。
前線は線!前線面は面!
気団が自分のいる場所に移動してくると気温が大きく変化するんです。
そして、寒気団と暖気団がぶつかると多くの場合、雨が降ります。
何で気団がぶつかると雨が降るの?
暖気団はあたたかい空気のかたまりでできています。
暖気団が冷たい空気からできている寒気団とぶつかると気団の境目であたたかい空気が冷やされますね。
そうすると、
露点に達する!
そういうことです。だから暖気団と寒気団の境目には雲ができて雨が降ります。
寒気団と暖気団がぶつかると雨が降る
気団の動きと前線
日本の天気は西から東に向かって変わっていきます。
これは偏西風が影響しているからです。偏西風は西から吹いてくる強い風のことで、この風によって気団が動かされるから西から天気が変わります。
夕日がきれいなら明日は晴れって言うね
夕日は西に見えるから、西の空が晴れていればそのまま東に晴れがやってくるってことですね。
気団の動きを天気図でみてみましょう。
低気圧の中心から出ている2本の線は前線を表しています。
前線があるってことは前線の右と左で気団が違うってことだね
そうです!
この場合は寒気団:暖気団:寒気団の順に気団があります。
前線の形がなんか違うね
2つの前線は特徴が違います。この違いは気団の違いによって生まれます。
気団は西(左)から東(右)に動くから右側の前線は暖気団が寒気団を押してて、左側の前線は寒気団が暖気団を押してるという違いがあります。
暖気団と寒気団によって前線が生まれる
この2つの気団はそれぞれ特徴が違うので合わせて理解していきましょう!
前線の種類
前線は4つの種類があって、それぞれ記号があります。
結構シンプル!
それぞれの特徴について学んでいきましょう!
寒冷前線
寒冷前線は寒気が暖気を押し上げた時にできる前線です。
寒気のほうが空気の密度が大きいので、西の寒気から暖気にぶつかってくると暖気を押しのけるように進みます。
寒気団のがパワーがあるんだね!
そのため、温暖前線よりも前線面が垂直にでき、上に伸びる積乱雲(雨雲)を発生させます。
縦長の雲ができるから、雨が降る時間は短いですが、雷がなるような大雨を降らせます。
土砂降りの時は寒冷前線のせいなんだ!
地面にいる人にとっては暖気から寒気に変わるから気温が急激に下がることになりますね。
さらに、風の変化にも注目です!
寒冷前線が通る前は低気圧の中心より下らへんにいたから、南の風が吹いていましたが、寒冷前線が通ると、低気圧の中心は右上らへんになるから西よりの風に変化します。
前線が通るといろいろな変化があるんだね
寒冷前線が通過する時は、狭い範囲に(短い時間)強い雨が降る&気温が下がる
温暖前線
温暖前線は寒冷前線とは逆で、暖気が寒気にぶつかった時にできる前線です。
暖気は密度が小さくパワーがあんまりないから、寒気を押しのけることができません。
だから寒気の上をはいあがるように進みます。
暖気弱ッ!!
そうなんです。結果、前線面は平たくなります。この時の雨について考えましょう。
範囲&時間と雨の強さを考えられればOKです!
平らな分、広い範囲に雨が降るから時間は長いね
でも雲は薄いから弱い雨が降りそう
そういうことです!
前線面が平らだから、雨の量は少ないですが広い範囲に雨が降ります。
前線面のでき方と考えれば、暗記しなくてもOK!暖気は弱いから上に乗るって覚えよう!
温暖前線が通過すると、広い範囲に(長い間)弱い雨が降る&気温が上がる
寒冷前線&温暖前線の特徴をまとめると
寒冷前線→通過後気温が下がる・激しい雨が短時間降る
温暖前線→通過後気温が上がる・弱い雨が長時間降る
これさえ覚えてしまえばOK
コツは寒気=強い!だから前線面は垂直or平らです♪
停滞前線
この前線は特殊で、寒気団と暖気団の勢力がほぼ同じ時に発生するほとんど動かない前線です。
記号をみても寒気と暖気がぶつかっている感じがしますね。
「停滞」ってことは動かないのかな?
そうなんです。
前線のある場所で雨が降るから、前線が動かない(停滞)と雨は降りっぱなしになりますよね。
日本には、そんな季節がありますよね。
梅雨ってことか
そうです。日本の梅雨がずっと雨が降り続けるのは、停滞前線ができるからなんですね。
停滞前線は梅雨の時期(6月)に多く見られる
へいそく前線
へいそく前線は寒冷前線が温暖前線に追いつくとできる前線です。
寒気団のがパワーがあるから早く進むんだね
そうです。暖気が押す遅い温暖前線に寒冷前線が追いついてできます。
暖気の居場所がなくなってる、、
寒気同士が出会うから温度差が小さくなって、へいそく前線が見られた数日後に低気圧が消えることがほとんどです。
寒冷前線が温暖前線に追いつくとへいそく前線ができる
暖気団と寒気団の境界面を前線面、前線面と地表の交線を前線という
寒冷前線は激しい雨を短時間降らし、通過後気温が下がる
温暖前線は弱い雨を長時間降らし、通過後気温が上がる
今回のまとめクイズ!
次の学習も一緒に頑張ろうね!
コメント
コメント一覧 (2件)
クイズがあっていい!!!
分かり易いです。期末テストの勉強に物凄く活かせました。ありがとうございました。