有効数字って何?
テストで「1」って書いたら正解は「1.0」で✕になった!
一緒じゃないの!?
お、それは理科のテストあるあるだね!「有効数字」が理解できていないと正しい実験ができなくなっちゃうし、テストの点数も下がっちゃうから今回の学習でしっかり理解しよう!
科学を学ぶなら絶対に知っておきたいルールの1つだよ。
「有効数字」?
そう、有効数字は書かれた数字がどのくらい有効なのか、つまり数字がどのくらい信頼できるのかを表しています。
信頼ってどういうこと?
例えば、看板に1,000円!!って書いてあるお店でごはんを食べた後に「4,000円です」って言われたら、おいおいおいおいってなりますよね。
1,000円じゃないんかいっ!ってなる
ですよね。簡単に言うと、これが数字がどのくらい信頼できるかってことです。
1,000円が4,000円になったら全然信頼できない!
そういうことです。科学の世界でも同じように信頼性がある数字を出した方がいいんです。信頼性のあるデータを出せるようになることが科学者の第一歩です!
「1」と「1.0」の違いって?
じゃあ有効数字について学んでいきましょう!
「1」と「1.0」の信頼性はどう違うの?
うんそれが難しいんだ!
確かにピンときませんよね。値は「1」です!って言われた時は「ピッタリ1」だと思わないことが大切です!
ん?どういうこと?
謎を解くカギは“四捨五入”です!
例えば0.9って数字は小数点第一位で四捨五入すると「1」になります。
そっか!0.9も「1」なんだ!
そういうことです!
じゃあ四捨五入して「1」になる数字のうち一番小さい数字は何でしょうか?
5より大きい数は繰り上げになるから0.5!
その通り!
じゃあ「1」になる最も大きな数字はなんでしょうか?
なるほど!
ということは、「1」って言われた時はピッタリ「1」ってわけじゃなくて、0.50~1.49(1.5よりちょっと小さい)の範囲のどっかです!って意味になります。
この範囲を数直線で表すと「1」はこの範囲内ってことになります。
結構広いね!
そう!「1」って言われた時の幅はかなり広いんです!だからこの範囲を狭めるために意味のなさそうな「1.0」と書くんです!
「1」と「1.0」って何が違うの?
四捨五入は表記されている数字の1/10で行います。つまり「1」の場合は1.?の「?」の部分を四捨五入します。
でも、「1.0」と書いた場合は、1.0?の「?」が有効数字の1/10の数字になります。
そっか!「?」の位置が違うんだ!
そういうことです!
「1」の場合は0.50~1.49の範囲になりますが、「1.0」の場合はどうでしょうか?考えてみましょう!
まずは「1.0」になる最小の数を考えてみます。
「?」が5の時一番小さくなるんだよね
そうだね。繰り上がる最小の数字は5だもんね。
じゃあ1.05だ!
う~ん惜しい!1.05を四捨五入するといくつになる?
あ、1.1だ!
そう!これはよくある間違いだから気を付けよう!「1.0」を表す最小の数はいくつになりますか?
0.95!
大正解!次は「1.0」を表す最も大きい数を考えてみましょう!
四捨五入して一番小さくなるのは4でしたね。
ってことは1.04だ!
その通り!
ってことで、「1.0」が示す数字の範囲は0.95~1.049(1.05よりちょっと小さい)です。
数直線で示すとこう。
1の近くを拡大するとこう。
さっきよりも狭い範囲になったね!
ですね。つまり、「1」と「1.0」では示している範囲の正確さが違うんです!
2つの数直線を重ね合わせると.0の凄さが感じられますね!
.0があるかないかでこんなに違うんだね
「1」と「1.0」は天と地の差がある
実験器具の読み取り
ということで、小数点の位置が超重要なことを理解できましたね!
うん!わかった!
次は実際の実験器具の読み取りをしていきましょう!
有効数字をどこまで読むべきか
下のメスシリンダーの画像を読み取ったら何mLですか?
6.4162907mL!!
おっ!めちゃくちゃ細かい!!
でも注意して欲しいことがあって、細かければ細かいほどいいわけじゃないんです!
細かく読むほどいいデータでしょ?
いいえ、そういうわけじゃありません。読みとるのに適切な数値ってのがあります。
その数値はどうやって読み取ったの?
テキトーに細かく読んだ!
当たり前だけどテキトーに読み取った値を使うのはNGです!
細かく読み取ることは大切だけど、読み取った値が信頼性のない値になったら意味不明だもんね(笑)
だから目盛りを読むときは最小目盛りの1/10までを限界とするルールが科学の世界にあります。
なんで1/10なの?
それは1/100までは人間のパワーで読み取れる限界を超えているからです。
だからこそ実験器具は最小目盛りの1/10まで読むことが大切なんです!
例えば、メスシリンダーや電流計など実験ではたくさんの器具を使って数値を測定します。この時のデータによって、あなたが出したデータがどのくらいの信頼性があるかわかっちゃいます。
データの信頼性=実験の正確さだから「自分の実験の評価」に直接つながるわけです。
たった1つ数字が増えるだけで全然違うんだね!
うん、だから私はこれだけ正確な実験ができるんだぞ!!すごいやろ!って主張するために1/10まで目盛りを読むようにしましょう!
うん!分かった!
最小目盛りの1/10まで読むのは信頼できる限界の値だから
じゃあ、さっきのメスシリンダーの写真を正しく読むとどうなるでしょうか?
最小目盛りの1/10まで読むんだよね
そうです。だからまず最初に最小目盛りが何mLを示しているのかを考えることが大切です!
今回のメスシリンダーの場合は数字が書いてある太い線は1mLを示していますね。
さらに細かいこの目盛りは1mLの1/10だから0.1mLを示しています。
0.1mlの単位まで読めるってことだ
そういうことです!目盛りを読むのは最小目盛りの1/10までだから、このメスシリンダーは0.01の単位まで目分量で読めばOK!
じゃあ、この目盛りを0.01mLの単位まで読むとどうなるでしょうか?
メスシリンダーなどは、表面張力があるから水面の底の値を読み取るんでしたね♪目分量で値を読んでみましょう。
大体6.42mL!
OK!多少の誤差はあるかもしれないけど、自分が出した値が正解です!自信をもって答えましょう!
分かった!
目分量の値でも自分が出した値は自信をもって答えよう!
電流計の場合
電流計もメスシリンダーと同じく読み取りをよく行う器具です。
この電流計を読み取ってみましょう!
最初にしないといけないことはなんだっけ?
目盛りがいくつか考える!
その通り!電流計は-端子によって目盛りが変わるんだったね。写真から今いくつの端子に接続されている?
50mA!
ってことは、一番大きい「5」の目盛りが50mAを示しているわけだ。
じゃあ1番細かい目盛りはいくつを示してる?
1mA!
ですね!最小目盛りが1mAってことはその1/10の0.1mAまで読み取ればOK!
針の部分を拡大して目盛りを読み取ってみましょう!
44.7mAくらいかな
その通り!だいたい44.7mAですね!電流計の目盛りまで読めれば実験器具は完璧ですね♪
どんな器具でも最小目盛りの1/10!!
有効数字の桁数
続いては、有効数字の取り扱い方について学んでいきましょう!
まずは有効数字の桁数についてです。
例えば、さっきのメスシリンダーの問題を例に有効数字の桁数まで考えてみましょう!
桁数?
はい、例えば6.42は有効数字何桁でしょうか?
( ,,`・ω・´)ンンン?1桁??
うん難しいね。数字の6は1の位だから1桁な気もするけど、4と2も目盛りをしっかり測って読んだ数字だから有効な数字です!
つまり6.42の有効数字の桁数は3桁になります。
難しいな、、、
さっきのメスシリンダーの値がピッタリ6.40mLだった場合6,4,0の全部しっかりと読みとっているから有効な数字が3つです!ってことは有効数字は何桁でしょうか?
3桁!
その通り!
0が付く場合
続いて0.12の有効数字について考えましょう!
ビーカーを読み取って0.12Lだったとします。この時の有効数字は何桁でしょうか?
3桁じゃないの?
これはひっかけです!小数点の前の0は読み取った値じゃなくて、オマケで付いてくる値だから有効数字には含まれないんです!だから有効数字は2桁。
なんだとぅ
0.0012だとしても、数字の最初は1だからそれより前の0も含みません!だから0.0012の有効数字も2桁になります。
最初0は何個あっても有効数字に含まれない
0が数字の右側についている場合も考えましょう。
0.12Lは有効数字2桁の数字でしたね。0.12LをmLに直すと何mLになりますか?
120mL!
正解!0.12Lが有効数字2桁だから、それを直した120mLも有効数字2桁になるんだけど、もし0.120LをmLにした場合は何mLになる?
これも120mLだ!
そう、数字の右側に0がついている時は0.12Lを直した120mLは有効数字2桁だけど、0.120Lを直した120mLは有効数字3桁になります。
複雑だ、、、
まとめるとこう。
0を理解すればいいだね!
そう!0が有効かどうかがわかっていればOKです!
数字の左の0は有効数字に含まれない
数字の右の0は読み取り方によるから数字だけじゃ判断できない
有効数字の計算
オマケで計算についてもちょっとだけ教えます。
※注意
これ以降は高校生に理解しておいてほしい内容を簡単に説明したものです。中学生のテスト向けじゃないから中学生は興味のある人だけでOK!
たし算・ひき算
足し算や引き算の場合、有効数字は最小の桁が一番大きい数字に合わせます。
例えば1.2+4.56だったら、1.2の最小の桁は0.2の小数第2位、4.56の最小の桁は0.06の少数第3位になります。
つまり1.2の方が大きい数字だから、答えは少数第2位で答えるんです。
つまり1.2+4.56=5.76ですが、少数第2位だから四捨五入して、5.8にします。
応用すると、0.12+45.6の場合は0.6の少数第1位の方が小さいから0.12+45.6≒45.7になります。
かけ算・わり算
かけ算の場合は有効数字がもっとも小さい値に合わせます。
1.2×4.56なら、1.2の有効数字が2桁だから答えも2桁にします。
つまり1.2×4.56=5.472ですが、少数第1位に合わせるから答えは5.5になります。難しいねっ
まぁ気楽になれよ
今回の記事はyoutubeで詳しく解説動画を作ったので、ぜひぜひぜひ見てみてください♪
有効数字は数値がどのくらいの範囲で信頼できるかを示す
1と1.0は全然違う!
実験器具は最小目盛りの1/10までしっかり読む
コメント