進化の歴史
進化といえば何が思いつきますか?
そう!ポケモンですね。
ピカチュウはかみなりのいしで「進化」すると、ライチュウになって、体の色や形などいろいろ変化しますね。
が、しかし、これは理科では進化といいません!
長い時間をかけて少しずつ体の特徴などが変化することを進化と呼びます。
ピカチュウの進化は急激に一瞬で(たぶん)起こるから進化とは呼ばないわけです。
地球が誕生してから46億年の間に、生物が誕生し、その姿を少しずつ変化させたから今の地球の生物があります。
どの生物も種として生き続けるために、様々な工夫をしてきています。今回は、そんな進化の歴史について学んでいきましょう!
チャールズ・ダーウィン
イギリスのダーウィンという動物学者を知っていますか?
「ダーウィンが来た」というNHKの番組もやってますね。
ダーウィンは1830年代にエクアドルにあるガラパゴス諸島という島で、そこに住むさまざまな生物を観察した人です。
ガラパゴス諸島での観察によって、ダーウィンは生物はすべて別々で存在してたわけじゃなくて、進化してたくさんの種になったことを確信し、1859年には「種の起源」という進化に関する超有名な本を出しました。
ダーウィンが観察をした世界遺産にも登録されてるガラパゴス諸島は進化の研究に適した場所でした。
ガラケーという言葉がありますが、これはガラパゴスケータイの略語です。
ガラパゴスは古いといった意味で使われていて、それは、ガラパゴス諸島がほかの大陸の生物とは違って敵がほとんどおらず、独自の進化をしてきた、悪くいうと取り残された場所だからなんです。
隔離されたガラパゴス諸島だからこそ、その島の中でだけ進化が行われてきたから、その変化を調べやすかったんだね。
ガラパゴス諸島にはガラパゴスイグアナというイグアナが生息していました。
このガラパゴスイグアナはサボテンを食べていましたが、だんだんと首が届く範囲のサボテンがなくなってしまった。さてイグアナはどうしたか?
あるイグアナは海に潜り海藻を食べるウミイグアナに、あるイグアナは首を伸ばしてサボテンを食べるリクイグアナになったと考えられています。
この進化も隔離されているからこそ、それぞれ絶滅することなく調べやすかったんだ。
進化の調べる3つの方法
さて問題です!
足も首も短いけど、キリンみたいなまだら模様があるキリンっぽい生物がいたら、それをキリンと言いますか?それとも別の生物だと言いますか?
また、どうやって調べますか?
方法は3つ考えられます。
①DNAを調べる方法
②2つの生物の特徴を比較する
③化石を見つける
この3つです。それぞれ解説していきます!
DNAで調べる
DNAは生物がそれぞれ持っていて、体の設計図になります。
2つの生物のDNAを調べて、どのくらい一致しているかがわかれば、2つの生物がどのくらい近い種かわかります。
ヒトとチンパンジーのDNAを比べると99%くらいは同じ、ヒトとネズミですら80%は同じなので、DNAによってつくられる生物の機能の基本的な部分はほとんど同じってことがわかるね。
(DNAは3年生の授業で詳しくやるので、興味がある人はコチラを見てください。)
生物の特徴を比較する
セキツイ動物は魚類・両生類・ハチュウ類・鳥類・ホニュウ類の5つに分かれ、それぞれ特徴を持っていました。
例えば、子の産み方、えら呼吸や変温動物、体の表面などの特徴ですね。
殻のない卵で子をつくるのは、魚類と両生類でした。つまりこの2つの類は種として近いと言えますね。
これらの方法で、ある動物Aとある動物Bがどのくらい種として近いかを調べることが出来ます。
「種としての近さ」を地図のようにして表すと、ダーウィンが作った樹形図ができます。樹形図の線が短いほど近い種、長いほど遠い種として図をつくると、その距離から進化の順序や進化にかかった時間を予測することができます。
動物Aと動物Bが樹形図上で、遠くに位置してるなら離れた種、近くなら近くの種ということがわかります。
この比較をたくさんすることで、分類して進化の過程を予想できるようになるんだね!
化石を調べる
例の足と首が短いキリンが、足も首も長いキリンと同じ種かを調べるには、その足と首が長くなっていく、途中経過がわかればいいんです。
つまり化石を見つけるってことだね。
実際キリンは、最初は足も首も短かったのが、肉食動物から逃げられるように足を長くしたらしいです。
でも、足が長いと水が飲みにくかったから、首を長くした。結果、今のキリンの姿っていう説が有力なんだ。
この途中の足や首が長くなっていく過程の化石があれば、キリンが長い年月をかけて進化したことがわかるんだ。
実際化石からわかることはたくさんあります。
ドイツで1億5千年前の地層からシソチョウ(始祖鳥)という原始的な鳥類の化石が見つかりました。
右図(Wikipediaより)がシソチョウで、最初の鳥類といわれているのは、羽毛や翼を持っているだけでなく、ハチュウ類の特徴である長い尾や3本の爪を持っているからです。口は鳥のくちばしとは違いハチュウ類のように歯があります。
つまり、ハチュウ類と鳥類の両方の特徴を持った中間の生物ってこと。
こんな感じで、中間の生物を樹形図から考えると約5億年前に魚類が誕生し、両生類が現れ、ハチュウ類、ホニュウ類、鳥類が現れた。ってことが化石からわかるんだ!すごいね。
鳥の翼はどのように手に入れた?
シソチョウはハチュウ類から鳥類に進化する途中であることを学びました。
そこで最大の疑問は、どうやって翼を手に入れたか、ですね。
シソチョウの翼はハチュウ類でいう腕が変化したものです。鳥類の翼とハチュウ類の腕、さらには、魚類のひれまでもが元は同じ器官から変化したものなんです!
このように同じものから変化した体の部分を相同器官といいます。相同器官があることからも進化を示す証拠の1つとして考えられますね。
相同器官の中には、ヘビの足やクジラの後ろ足みたいにはたらきを失って痕跡だけが残った痕跡器官と呼ばれるものもあります。
昔は人にしっぽがあったと言われるみたいに、人間のしっぽも痕跡器官なのかもしれないませんね。
ただ、鳥の翼と蝶の羽はどちらも同じ飛ぶ機能を持った部分ですが、相同器官ではありません!
鳥も蝶も空を飛ぼう!と考えて、別々に飛ぶための体を作りました。別のルートでそれぞれ翼と羽を作ったので、飛び方に違いがあるのがわかると思います。鳥はスーって感じなのに対して、蝶はバタバタしている感じがしますね。
こういう別々のスタートなんだけど、ゴールは似た場所になる的な進化を収斂進化(しゅうれん)と呼ぶよ。
「生きる化石」といわれるシーラカンスはこの相同器官の説を有力にした動物です。
シーラカンスは数千年前に絶滅したと考えられてたのに、1950年ごろから各地で別の種類のシーラカンスがみつかりました。
シーラカンスの骨格には、セキツイ動物の前足のような器官があったから、シーラカンスは両生類に変化する前の段階じゃないかって考えられています。
地球上には、シーラカンスが陸に上がってきたみたいな生物がいたのかもしれないね。こんな風に1つの化石からいろいろなことがわかるから化石の神秘って感じだね。
まとめ
長い時間をかけて生物が変化することを進化という
原子の鳥類と考えられているシソチョウはハチュウ類の特徴と鳥類の特徴の両方を持つ
同じものから変化したと考えられる体の部分を相同器官という
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