マグネシウムで閃光弾!
みんなで総攻撃だ!!
閃光弾でチャンスをつくるぞ!
なんか楽しそうだね!
今モンハンでリオレウス倒してるんだ!
閃光弾ってめっちゃ光るけど実際にみてみたくない?
見たい!
じゃあ実験をしてみよう!
今回の実験に使うのは“マグネシウム”です。
なんか聞いたことある!
マグネシウムはアーモンドなどのナッツや魚、野菜にも含まれている生きていく上で必要な栄養素でもあります。
でも今回は、マグネシウムリボンっていうマグネシウムを伸ばして、リボンみたいにしたものを使って実験します。
←これがマグネシウムリボン
マグネシウムリボンをガスバーナーに近づけて加熱してみましょう!
閃光弾だ!
ものすごい光を出して燃えました!この実験みたいに、物質が激しい光&熱を出して燃える現象を“燃焼”といいます。
マグネシウムを加熱すると燃焼する
熱も出てるんだ!
そうです!超激しい現象なんです!
実際の実験のムービーも見てみましょう!
動画だと少し伝わりにくいけど、直視できないほどの光を放っています。
マグネシウムが白くなった!
よく気が付きました!例によって化学変化が起きているから加熱後は別の物質に変化しているんです!
加熱後の物質も調べてみましょう!
加熱後の物質
反応後に残った白い物質はマグネシウムじゃなくなっているんだけど、これって金属?金属じゃない?
金属じゃない!
なんでそう思うの?
ピカピカしてないしボロボロだから!
お!いい着眼点だね!
1年生の化学で学習した「金属の性質」はこの3つだったね!
この性質に当てはまってないから加熱後の物質は金属じゃないんです。
加熱後の物質は非金属
実験をもう少し続けて、加熱前のマグネシウムと加熱後の物質をそれぞれ塩酸の中に入れます。
加熱前のマグネシウムは塩酸に入れるとある気体を発生させますが、何かわかりますか?
う~ん、なんだろ?
これも1年生の化学で、塩酸の中に金属を入れて気体を発生させた後マッチを近づけると小さな爆発を起こした実験です。
水素だ!
その通り!マグネシウム(金属)を塩酸に入れると水素が発生するんでしたね。
これを化学式で書くと
Mg + 2HCl → MgCl₂(塩化マグネシウム) + H₂
となります。
加熱前は水素が発生しますが、加熱後はどうでしょうか?実験の続きのムービーを見てみましょう!
加熱後は気体が発生しない!
そうなんです!気体が発生しなかったことからも完全に別の物質になっていることがわかりますね。
この加熱後にできた白色の物質は“酸化マグネシウム”といいます。
酸化マグネシウムはその名の通り酸素とマグネシウムがくっついた物質です。
マグネシウムを加熱した時の化学反応式は
です。
O₂は空気中の酸素!
酸素と反応して、酸素がくっつく反応を“酸化”と呼びます!
?燃焼じゃないの??
いい気づきです!
酸化は酸素と反応することすべて合わせて酸化といいますが、燃焼は酸化の中でも激しい光&熱を出して酸素とくっつく反応のことを言います。
「酸化の特別バージョン」が「燃焼」ってことね
そういうことです。酸化には穏やかにゆ~っくり反応するものもあれば、マグネシウムのように急激に反応するものもあるんです。
酸化のうち激しい光と熱を出すものを特に燃焼という
なんでマグネシウムは急に反応するの?
その謎についてはこれから考えていきましょう!
物質と酸素の仲良し度
マグネシウムが急激に酸素と反応するのは、酸素と超絶仲良しだからです!
ほんとに言ってる?
はい、化学反応のポイントはズバリ「仲の良さ」です!
詳しく説明していきましょう!以前の学習で結合の手について学びましたね。
原子同士が手を繋ぐって考えたね
そうです。手を繋いでいる分子を加熱などで外からエネルギーを与えてあげると、いったん手を離します。
離してどうするの?
離れた後は近くにいる一番仲がいい原子と手を繋ぐんです。要するに恋愛と同じです。
恋愛と同じとは、、、
仲のいい奴に奪われたり、奪ったりすることができるってことです。
よくわからん!
化学反応式で書くとこうですね。
もともと酸素同士でくっついていたのが、加熱することでマグネシウムと酸素が結合するようになるって感じです。
仲がいい方と付き合うってことか、ムズイ、、
確かに難しいですね。仲の良さについて理解するのは難しいですが、面白いムービーがあるからまずはコチラをみてください!
これは二酸化炭素の中で、ろうそくとマグネシウムが燃えるか実験したものです。
ろうそくは消えたのに、マグネシウムは燃えたのは何で???
超不思議だよね!
難しいから一つずつ整理して考えていこう!
まず、ものが燃えるために必要なものってなんだっけ?
もちろん酸素!
そうだよね。酸素がないとものは燃えることができないんだったね。
そりゃそうだよ
集気びんの中には二酸化炭素をパンパンに詰めたから、酸素がなかったせいでろうそくが消えてしまいました。
でもマグネシウムは二酸化炭素の中でも燃えることができました。
酸素がないはずなのにマグネシウムが燃えた理由がわからん!
実は集気びんの中に酸素は存在しています!
どこに?
二酸化炭素の化学式はCO₂ですよね。このCと結合しているOを奪ったからマグネシウムは燃えることができたんです!
、、、難しい
ゆっくり1つずつ考えていこう。まず酸素(O)は集気びんの中では炭素(C)とくっついていますね。
そうだね
つまり仲良しってことです。
、、、
でも加熱することによって、2人(3つの原子)には危機が訪れます。要するに別れ話です。
、、、
加熱によってエネルギーが高まってなんでもやってやるぜ!っていうテンションになっているなか、イケメンのマグネシウム(Mg)がやってきます。
すると酸素(O)はマグネシウム(Mg)にメロメロで炭素(C)と別れてマグネシウム(Mg)と付き合うようになります。
これを化学反応式で表すとこんな感じ
炭素とくっついてたのがマグネシウムに変わったのか
そういうことです!
つまり
ってことです!
マグネシウム(Mg)はめっちゃイケメンで酸素と仲良しだったから炭素から酸素を奪って燃えることができたけど、ろうそくはイケメンじゃなかったから二酸化炭素から奪えなかったってことです。
略奪愛ができるかどうかか、原子の世界も大変、、、
銀とマグネシウムの違い
オマケですが、銀についても考えてみましょう。マグネシウムは酸素と仲良しですが、銀はどうでしょうか?
銀がでてくるのね
はい、酸化銀の加熱した時の化学反応を思い出して、酸素との仲の良さを考えてみましょう。
化学反応式はこうですね。
酸素と分かれてるから仲悪そう!
その通り!よくわかったね!
どの原子が酸素と手を繋いでいるかに注目して反応をみてみましょう!
なるほど!銀より酸素のが仲良しなんだ!
そうなんです!マグネシウムの時はO₂の状態(酸素同士がくっついている)から別れ話をしてマグネシウムに浮気してましたが、銀の場合は逆なことがわかりますね。
ってことは、酸素が好きな原子をランキングにするとこうなります!
Mgモッテモテ!
理解できたかな?今回は激しい酸化=燃焼について学んだけど、次は穏やかな酸化とポテチの袋に入っている脱酸素剤について学んでいきます!
マグネシウムの実験は家のコンロでも簡単にできます。(IHの家庭はコンロ買うしかないかも)
自由研究にも使えるので家で試してみても面白いと思います。値段は1500円程度です。
ちょっと難しいけど二酸化炭素から奪う反応もしてみたい人向け
マグネシウムは加熱すると激しく燃焼する
激しい光や熱を伴った酸化を”燃焼”という
原子にはそれぞれ仲の良さがあって酸素を奪い合っている
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