火山灰の中の鉱物の種類と特徴を観察しよう!

火山灰による大飢饉

火山の噴火は人間にも大きな被害をもたらします。その被害は、火砕流や溶岩によるものだけでなく、火山灰でも起こります。
1783年(江戸時代中期)に東北地方で大きな飢饉(食料がなくなること)が起き、数万人の人がなくなりました。(天明の飢饉)
この飢饉の原因は、岩木山、浅間山の2つの火山の噴火によって上空に巻き上げられた火山灰でした。

火山灰がが巻き上げられ、火山灰は非常に軽いため何か月も空気中に漂い続けました。
その結果、
①火山灰が太陽の光を遮る
②光をエネルギーにして行う植物の光合成が弱まる
③植物が育たず、さらにそれを食べる動物も減り食糧危機に
という流れで大飢饉が発生しました。

火山灰を観察してみよう

まず火山灰を持ってきて、蒸発皿に少しだけ入れます。そこに水を入れて、乳鉢か指で押しながらお米を研ぐように洗います。洗い終わったら太陽に当てて乾かしたら準備完了です!

双眼実体顕微鏡で観察をしてみよう

観察すると上の写真のような小さな石のような鉱物が見られます。

鉱物は角がとがっています川辺にある石は丸いですよね。このように形が違うのはなぜでしょう?
川辺の石は川の上流から流れてくる時に、ほかの石とぶつかって角が削れてなくなるからです。
一方、火山灰はマグマからできた火成岩が爆発によって砕けたため、角がとがっています。

火山灰に含まれる鉱物の種類

火山の色と火山灰の色は大体同じになります。火山は火山噴出物が積もってできます。火山灰はその一部なので、火山灰を観察すれば、火山の色もわかるというわけですね。
きれいに洗った火山灰の中には、「鉱物」がたくさん含まれています。下の写真は大きな鉱物です。火山灰に含まれているのはもっと小さなものが入っているわけです。

鉱物はその色と特徴によって無色鉱物有色鉱物に分類分けされます。無色鉱物は無色か白色で、有色鉱物はそれ以外のもので、この鉱物の割合によって、岩石の色が決まっています。

無色鉱物
セキエイ・・・無色か白色。不規則に割れる
チョウ石・・・白色か桃色。柱状で、きれいに割れる。岩石の6割がチョウ石
有色鉱物
・クロウンモ・・黒色で、薄くはがれる。やわらかく海苔のような感じ。
・カクセンセキ・黒っぽい緑色。柱状で割れやすい。
・キセキ・・・・緑っぽい黒色。正八面体に近い。
・カンランセキ・黄色がかっていて透明。丸い柱型。
・磁鉄鉱・・・・黒色。磁石につく
というように何種類かの鉱物があります。
ちなみに鉱物は「石」と「鉱」の文字以外は基本的にカタカナで表記することが主流です。

まとめ

火山灰に含まれる鉱物が角がとがっているのは、噴火の爆発などで砕けてできたから。鉱物は色によって無色鉱物有色鉱物に分類される。

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この記事を書いた人

私立中・高一貫校の現役理科教員です。
専門は生物学で、中学・高校理科の教員免許を持っています。
子供のころ勉強に使っていた学習サイトを自分でも作りたくでトライし始めました!
理科の授業を「何度でもふりかえる」ことが出来るように、知識+思考力がつくサイトにしていくのでよろしくお願いします!

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