気温と水蒸気のグラフ
<復習>冬の窓ガラスに水滴がつく理由はなんでしたか?
空気が冷やされて露点に達したから!!
大正解!空気が冷やされると露点に達して水滴が発生するんだったね。
このページは前回の「露点」の学習の続きだから露点がわからない人は先にコチラを読んでね。
さて、窓ガラスに水滴はどのくらいついているかな?
ん~結構ついてる気がするな
ですよね、実際どのくらいの水滴が発生しているんだろうね?
今回は水滴の量を計算できるようになりましょう!
窓ガラスの水滴の量を計算できるようになろう!
今回のポイントは前回出てきた「露点」と「飽和水蒸気量」です。
飽和水蒸気量って何?
なんだか難しそうですよね。
空気中には窒素や酸素が多く含まれていますが、一部は水蒸気(気体の水)として存在しています。
空気中に含める水蒸気の量には限界があって、温度によって違います。
気温ごとの飽和水蒸気量を表にするとこんな感じ!
これ、覚えないといけないの?
そんなことないです!この表は覚えなくても、気温が高いほどたくさんの水蒸気を含める!ってことだけわかっておけば大丈夫です♪
この表をグラフにするとこんな感じ
このグラフの横は温度、縦は飽和水蒸気量を表しています。
ちなみに、飽和水蒸気量は1m³の空気に含める水蒸気量を表しています。
温度が下がるほど飽和水蒸気量も小さくなっているね
気温が高いほど飽和水蒸気量も大きい
さて、このグラフと表を使い方を学んでいこう!
飽和水蒸気量っていうのは、上の表にある通り気温によって完全に決まっています。
だから、大きさの決まっているコップだと思ってください。コップの大きさ=飽和水蒸気量です。
そして、中に入っている水が空気中に含まれている水蒸気の量です。
どういうこと??
例えば、飽和水蒸気量が10g/m³の空気に6gの水蒸気量が含まれているとします。
この時の「湿度」を考えてみましょう。
情報が多いな…
今の情報を整理してイラストにするとこうなります。
イメージ図があるとわかりやすい!!
ですね。10g入るコップ(飽和水蒸気量)にちょうど6g(水蒸気量)入っているから、コップは60%埋まっていますね。
つまり、湿度=60%ってことです!
注意する点は、「飽和水蒸気量の曲線は最大でどのくらい入るか」を表しているってこと。
つまり「どれだけ」入っているかは関係ないんだね
飽和水蒸気量⇒コップの大きさ
水蒸気の量⇒入っている水の量
湿度⇒水の割合
それを踏まえて、窓ガラスに水滴がついた理由を考えていきましょう!
気温30℃の空気を冷やすと何℃で水滴が発生するんだろう?
前回の学習では24℃の空気を7℃まで冷やすと水滴が発生したから露点が7℃とわかるんでしたね!
気温と露点の関係ってどうなってるの?
露点について復習しましょう。
空気中に含まれている水蒸気が液体となって出てくる温度が「露点」
でしたね。
ということは、空気中に含まれる水蒸気が多ければ、露点は高くなるってことです。
どういうこと?
グラフを使って理解しましょう。
例えば、30℃の空気1m³に17.3gの水蒸気が含まれているならこのように書きます。
30℃の飽和水蒸気量(コップの大きさ)は上の表から読み取って、30.4g/m³とわかります。これは、最大で入る量だから、30.4gすべて入っているってわけじゃありません。
今回は30℃の空気に17.3gの水蒸気が含まれていると考えましょう。
薄い水色の部分がこの空気にさらに含める水蒸気の量だね
コップのイメージと一緒に見るとわかりますね。
水色の部分は実際に含まれている水蒸気の量で点線の薄い水色の部分はあとどのくらい水蒸気を含めるかを示していると考えてくださいね。
(実際には点線の部分は書きませんが、今回はわかりやすくするために書いています)
この空気を冷やしていきます。
冷やすと水滴が現れるんだね
はい、そして空気が冷えるってことは、グラフで考えると棒が左に移動するってことです。
この空気を冷やすと、中に含まれる水蒸気の量(棒の長さ・コップの中の水)は変わりませんが、空気の飽和水蒸気量(赤い曲線・コップの大きさ)は小さくなります。
入ってる水の量は変わんないんだね
移動させた時に飽和水蒸気量と同じになる時(コップの大きさと中の水が同じになる)、これ以上その空気は水蒸気を含むことができなくなっているので、20℃がこの30℃で17.3gの空気の露点ということです。
露点=湿度100%だったね
空気を冷やす=飽和水蒸気量の曲線が左に移動する
この空気をさらに冷やすとどうなるでしょうか?
グラフをさらに移動させて10℃の時を見てみましょう。
青色の部分がはみ出てしまっていますね。
この部分は水蒸気として含み切れなかった分なので水として現れます。
もともと水蒸気として存在していたのが17.3gで10℃の時の飽和水蒸気量は9.4gだから
17.3g-9.4g=6.9g
が水として出てきます。
溢れた水=窓ガラスの水滴ってことだ!!
はい!そういうことです!
空気の温度が下がって、コップの大きさ(飽和水蒸気量)が小さくなったから水が出てきた(露点に達した)ってことですね!
この時の湿度は何%?
水がでてきていますが、水蒸気だけに注目すると9.4g入るコップにちょうど9.4gの水が入っているから湿度は100%になります。
水蒸気として含み切れなかった分が水滴として現れる
湿度と水滴の量
同じように湿度についても考えてみましょう。
30℃の空気の露点は何℃でしょう?
さっき20℃って計算したよ
確かにそうですね。でも、温度だけで露点は決まっていなくて、湿度も関係しているんです。
例えば、同じ30℃の空気でも湿度が80%の空気と20%の空気では、どっちの空気のが水蒸気をたくさん含んでいるでしょうか?
コップの大きさが同じだから80%入ってる空気!
そうですね!
同じ温度でも入っている水の量が違うから、露点も変わってしまうんです!
同じ温度でも湿度が高いほうが露点が高いんだね
30℃の空気の露点は20℃だったけど、17.3gの水蒸気が含まれてたからなんです。
ちなみに、この空気の湿度は
17.3g÷30.4g/m³×100≒57%
ってことです。
コップのイメージで考えるとこう!
露点は温度&湿度で決まる
窓ガラスに水滴がついた理由
飽和水蒸気量と気温の関係をふまえて、窓ガラスに水滴がついた理由を考えてみましょう。
部屋の中の空気は温度が高い=飽和水蒸気量が大きいですね。
ということは部屋の空気はたくさんの水蒸気をふくんでいます。
水蒸気をたくさん含んだ空気が窓の近くにいくと、外から冷やされて温度が下がります。
冷やされた結果、飽和水蒸気量が小さくなるから含み切れなかった水蒸気が水滴をして発生して、窓ガラスについたってわけです。
1つ1つ考えればわかるね
露点の計算
最後に計算問題に挑戦しよう!
気温17℃で湿度が40%の時、この空気1m³に含まれている水蒸気は何g?
まずはコップのイメージだね!
その通り!
気温が問題文に書いてあるからコップの大きさ(飽和水蒸気量)を調べよう!
コップの大きさは14.5gだね!
ですね!これが分かればイメージ図を描くことができます!
14.5gのコップの中に40%の水が入っているんですね。
あとはコップの中に入っている水の量(水蒸気量)が求められればOK!
14.5gの内の40%だから、計算すると
14.5g×0.4=5.8g
とわかります!なので、この空気1m³には5.8gの水蒸気が入っていることがわかりますね。
ひとつひとつ考えれば簡単だね♪
計算問題はコップのイメージを描いてから始めよう!
気温が高いほど飽和水蒸気量も大きくなる
気温を下げると含める水蒸気量が小さくなるから水滴が発生する
露点は含まれている水蒸気の量と気温で決まる
前回の学習も学んで理解を深めてね!
今回のまとめクイズ!
次の学習も一緒に頑張ろうね!
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