電気分解で発生する物質はどうやって決まる?
3年生の最初の化学の学習で「電解質」という、水に溶ける前は電流を流さないけど、水に溶かすと電流を流すようになる物質があることを学びましたね。
食塩とかだね!
そして次の学習では、電流を流すと陽極と陰極にそれぞれ違う物質が物質が発生することを学びましたね。
電気分解のことだね
今回はこの2つの学びを合わせて原子について理解を深めていきましょう!
いままでの学習から推理していこう!
水(H₂O)、塩酸(HCl)、塩化銅(CuCl₂)の電気分解の結果をまとめると
こんな感じ。
水素(H₂)は陰極で発生するのかな?
塩素(Cl₂)は逆に陽極に発生しそう
関係性が見えてきますね。もう少し考えてみましょう!
物質には陽極で発生しやすい物質と陰極で発生しやすい物質の2種類があるんです!
これには「電子」が関係しています!
塩酸の電気分解を例にして電子の動きを考えます。
まず、電子は-極から+極に動きますね。
電子の動きと電流の動きは逆向きだったね
ということは陰極で発生する水素はどうやら“電子を受け取りたい”感じがしますね。
逆に陽極で発生する塩素は“電子を渡したい”んです。
発生する極によって電子を渡したい・受け取りたいがある
実際に塩酸の電気分解での電子の動きをイラストで表すとこのようになっています。
上のイラストにあるH⁺やCl⁻は原子ではなく「イオン」といいます。
イオンと原子は違うの?
違うんです!大きな違いは「電気を帯びているか」どうかです。
イオンと原子の違いは原子の構造について知っておくとめちゃくちゃ理解できるからコチラも読んで学習すると学びが深まりますよ。
イオンは電気を帯びている
イオンってどんなもの?
イオンについて深く学んでいきましょう!
原子記号の右上に+とか-が書いてあるのは何?
これは帯びている電気を表しています。イオンは電気を帯びているから、電流を流すことができます。
電気を帯びたイオンが電子を受け取ったり渡したりしている!
食塩は水に溶かすとイオンになるってことか!
そういうことです!
+の電気を帯びているイオンを陽イオンといい、-の電気を帯びているイオンを陰イオンといいます。
陽イオンと陰イオンの例を覚えてみましょう。
原子が2つあるやつもあるんだね。
ここが原子と違って面白いところです。
例えば、炭酸イオンはC(炭素)1つとO(酸素)3つがくっついて2つの-を持つ1つのかたまりになってます。
1つのものとして考えるんだ
はい、これらのイオンを覚えると原子と電子の関係がよくわかります。
食塩(NaCl)を水に溶かした時の変化を詳しく見てみましょう!
電離
食塩(塩化ナトリウム)の化学式はNaClでしたね。
これは2つの原子から構成されていますが、なんの原子ですか?
Na(ナトリウム)とCl(塩素)!
大正解!水に溶かすと、この2つが分かれます。が、原子がそのまま分かれるわけじゃなくて、イオンになるんです!
食塩(塩化ナトリウム)を水に溶かした時の変化をイラストで書くと、
このようになっています。
NaCl → Na⁺ + Cl⁻
ナトリウムイオンと塩化物イオンになるんだね
はい、電解質を水に溶かすと、陽イオンと陰イオンの2つに分かれるんです!
食塩の場合はNaCl→Na⁺+Cl⁻になりますが、塩酸(HCl)の場合はどうでしょうか?
水素イオン(H⁺)と塩化物イオン(Cl⁻)になりそう!
大正解です!塩酸の場合はこうなります。
HCl → H⁺ + Cl⁻
なんとなく予想ができるね!
そうなんです!電離の式はイオンの種類さえ覚えてしまえば化学式から簡単に予想ができます!
電離って簡単だね♪
イオン式を覚えれば化学は楽勝♪
いろいろな電離の式の例を挙げるとこんな感じです。覚えなくても予想ができますね!
確認する時のポイントは+の数と-の数が一緒になっているかどうかです!
例えば、塩酸の場合は
+1個と-1個ってことだね
塩化銅の場合は
2+が1個と1-が2個だね
+の電気も-の電気も2個ずつあるから全体として電気を帯びていないんだ。
電離した時の+の電気と-の電気の数は同じになる!
コメント