斜面上の台車の運動から考える、力がはたらき続ける運動

力と運動の関係を斜面を使って考えよう!

立っている状態で、後ろから誰かに押されるイメージをしてみてください。

当然体が前に進みますよね。体が進んだ後も後ろから押され続けたとしたら、だんだんとスピードが出きます。

このように、物体に力を加え続けると物体の速さは大きくなります。例えば、自転車をこぎ続けると加速していくのと同じですね。

 

斜面に置いた物体は、滑って落ちていきます。これは、物体が地球の重力によって力が加えられているからです。

今回は、摩擦のない2つの角度が違う斜面に物体を置いて、その運動の様子を記録タイマーを使って調べました。結果は、下のようになります。

斜面に物体を置いた時、重力を分解した分力が物体にはたらきました。そして斜面に沿った分力の大きさは斜面の角度が大きいほど、大きくなりました。

記録タイマーの結果からもわかる通り、斜面が急で、台車を動かす力が大きいほど速さの上昇の割合も大きくなります

この速さの上昇はグラフを見るとわかりますが、一定の割合で大きくなっています。

力が加わった分、その力の大きさに比例して、物体の速さが大きくなっているわけですね。力の大きさに比例するので、斜面の傾きが大きいほど、速さが上昇する割合が大きいというわけです。

自由落下運動

空中にある物体を手放すと、下に落ちていきますよね。これはもちろん重力のせいです。

物体が重力の力だけを受けて、落下する運動を自由落下運動といいます。

自由落下運動は、斜面上の運動と同じように、速さが一定の割合で大きくなる運動です。下のイラストでみると自由落下運動は斜面の角度が90°の時の運動と同じと考えることができます。

そう考えると、斜面に沿う分力が最も大きいと言い換えられますね。つまり、自由落下運動は、最も速さが上昇する割合が大きい運動といえます。

ガリレオが行ったピサの斜塔の実験

ガリレオはイタリアにあるピサの斜塔という5.5°(当時)ほど傾いた塔のてっぺんから2つの質量の違う2つの球を落としました

どちらの球が先に地面に着いたでしょうか?

重さが違うので、重い球のほうがはやく落ちる気がしますが、結果はほぼ同時に地面に着きました。

この実験から自由落下運動の速さは物体の質量によらず、同じ速さで運動することがわかりました。

ただし、自由落下運動は重力以外の力を受けていない状態の運動なので、実際には空気抵抗を受けてしまうので、速さは変わってしまいます。

空気を抜いて真空にした筒の中で、筒をひっくり返して、羽と金属球を同時に落下させると、2つの物体は同時に筒の底につきます

ちなみに、重い物体でも速さが同じになるのは、重い物体ほど動かすのに力が必要になるからです。重たいものを動かそうとすると力がいりますもんね。

まとめ

力を加え続けると、速さが一定の割合で大きくなる

重力だけが物体にはたらいて、落下する運動を自由落下運動という

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この記事を書いた人

私立中・高一貫校の現役理科教員です。
専門は生物学で、中学・高校理科の教員免許を持っています。
子供のころ勉強に使っていた学習サイトを自分でも作りたくでトライし始めました!
理科の授業を「何度でもふりかえる」ことが出来るように、知識+思考力がつくサイトにしていくのでよろしくお願いします!

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