心臓のはたらき
私たちの心臓は常に動き続け、その動きを止めることはできません。心臓は休みなく血液を全身に運ぶポンプの役割をしているので、心臓のほとんどは筋肉でできています。常に動いて筋トレをしているような状態だから強い筋肉になるんですね。
心臓の大きさは手をグーにした大きさくらいで、1分間に60~90回収縮をして(拍動)、血液を流しています。手首に手を置いて1分間脈(ドクドクとする回数を数える)を測ると、自分の心臓の拍動の数がわかります。
1日に行われる拍動は10万回にも上ります。これによって細胞に養分などの輸送が絶えず行うことができています。
運動した後は、心臓が活発に動いていますね。これは、筋肉が酸素を多く必要とするため、心臓が多くの血液を体中に送ろうとするからです。
1回の拍動で流れる血液の量は80ccくらいなので、心臓は血液を30~40秒で一周させることができます。
心臓の構造
私たちの心臓は2心房2心室という構造になっています。下のイラストのように、心臓の中は2つに仕切られています。このような構造をしている生物は哺乳類や鳥類です。
上のイラストは自分の心臓ではなく、目の前の人の心臓を透かして見るイメージをしてください。目の前の人にとっての右側はこちら側から見た時の左側なことに注意して心臓の部屋の名前を覚えましょう!
心臓は左右の2つのポンプからできていて、それぞれ心房と心室を持っています。大きい部屋のほうを心室といい、血液を送りだす役割を持っています。その隣についている小さな部屋を心房といいます。
心房と心室の間には、弁が付いています。弁の役割は血液の逆流を防ぐことで、静脈についている弁と同じ役割です。
人間などの哺乳類はこのように2つに分かれていますが、例えば魚は、単純なつくりをしていて全身から戻ってきた血液をえらに送るだけの構造になっています。
トカゲなどの爬虫類は心室が完全に仕切られてなく、カエルなどの両生類は心室に仕切りがない、2心房1心室というつくりになっています。
進化の歴史の中で、心臓も複雑になっていることがわかりますね。
血液は右心房→右心室→肺→左心房→左心室→全身→右心房というように流れていきます。
血液の循環の様子を見ていきましょう!
血液が体を流れる順番
血液は、赤血球によって全身の細胞に酸素を渡し、血しょうに二酸化炭素が溶けることで気体の運搬をしていました。
では、心臓から送られた血液はどのような経路で体中に気体を運搬しているのでしょうか?
血液の経路を考える際は、体の器官を気体の出入りが行われる肺と、それ以外の器官とで区別して考えます。
血液の流れを簡単な図で表すとこのようになってます。
心臓から出発する血管を動脈、心臓に戻る血管を静脈といいました。
肺につながっている動脈を肺動脈といい、静脈を肺静脈といいます。
同じように肺以外の体の細胞につながっている動脈を大動脈、静脈を大静脈といいます。
そして、肺動脈と肺静脈を合わせた肺を循環する経路を肺循環といい、大動脈と大静脈を合わせた経路を体循環といいます。肺循環と違って名称が覚えにくいので、注意して覚えましょう!
肺では、呼吸によって気体の交換が行われていました。つまり、肺から心臓に送られてくる肺静脈を通る血液の中には、肺から取り入れられた酸素が溶け込んでいるので、酸素が多く含まれています。また、心臓から肺に送られる大動脈には、体中の細胞から回収した二酸化炭素が多く含まれています。
酸素が多く含まれる血液のことを動脈血といい、逆に二酸化炭素が多く含まれている血液を静脈血といいます。
動脈血が流れている血管は肺から送られてくる血液を運ぶ肺静脈と大動脈で、動脈血という名前なのに静脈を流れていることが難しいポイントです。暗記するというよりは、上の図で血液の流れを理解するととても楽です!
同じように静脈血が流れる血管は、肺静脈と大動脈です。
まとめ
哺乳類の心臓は右心房、左心房、右心室、右心室の2心房2心室のつくりになっている
肺に流れる血液の経路を肺循環、その他の体に流れる血液の経路を体循環という
酸素が多く含まれる血液を動脈血、二酸化炭素が多く含まれる血液を静脈血という
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