慣性の法則を利用して、楽にものを動かそう!

電車の投げた物体はどこに落ちる?

走っている電車の中で、真上に物体を投げると物体はどこに落ちるでしょうか?

実際に動いている電車や車でものを真上に投げてみてください!投げた手元に戻ってきます!(同じ速度で進んでいれば)

電車は動いていて、物体は動いていないのに不思議な感じがしますね

今回は、電車の中の物体にかかっている力について考えていきます。

電車が走っている時、中の物体も前に進んでいます。真上に投げた物体も前に進み続けようとします。そのため、電車の中で投げた物体は手に戻ってきます。

外から力を受けていない物体は、運動が変わらないという性質があります。この物体のもつ性質のことを慣性といいます

だるま落とし

だるま落としは慣性を利用した遊びです。だるま落としの一番下の力が加わった段は加わった力によって運動をします。そして上の力を受けなかった段は、慣性によって運動が変わらないので、ずっと静止し続けます。

その後下の段が横にずれると、重力によって下に落ちます。

物体に力がはたらいていない時や、はたらいている力がつり合っている時「静止している物体は静止し続け、運動している物体は等速直線運動をし続けます。」このことを慣性の法則といいます。

テーブルクロス引きなども慣性を利用したものですね。

エレベーターでジャンプすると慣性の法則を体感することができます。エレベーターが止まる時にジャンプすると、自分の体は慣性でエレベーターと一緒に上に上がろうとしますが、エレベーターは急に止まるので、いつもより高く飛ぶことができます。やる時は迷惑のかからないエレベーターで行ってください。

慣性の法則を利用したボディメカニクス

最近は医療が発達して、平均寿命が延びて高齢化社会を迎えています。親の介護や介護の仕事を行う人が増えてきて、「ボディメカニクス」という介護の技術が研究されています。

ボディメカニクスとは、介護の負担を軽減するために体の動かし方を物理的に考えたものです。面白いので、詳しく気になる人は調べてみてください。ここでは、一部を紹介します。

相手はゆっくり動かす

慣性の法則で静止している物体は静止し続けようとします。物体を動かそうとすると大きな力を加える必要があります。大きな門などを動かそうとすると最初は大変ですが、だんだん動くようになりますよね。それと同じで、ゆっくり動かすと負担が少なく動かせます。

②自分は重心を低く、相手の重心は高くする

重心が低いほど動きにくく、高いほど動きやすいので、介護するとき、自分は腰を落として、相手は高い椅子に座らせるなどの工夫をしています。

③相手が床やベッドと接している面積を小さくする

ものと触れ合う面積が大きければ、その分はたらく摩擦力も大きくなります。人を動かしたいときは、まず少し持ち上げて触れる面積を小さくしてから持ち上げるといいです。

このように、理科の知識はたくさんのところで応用されています!

まとめ

外から力を受けていない物体はその運動を続ける物体の持つ性質を慣性という

静止している物体は静止し続け、運動している物体は等速直線運動を続ける。このことを慣性の法則という

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この記事を書いた人

私立中・高一貫校の現役理科教員です。
専門は生物学で、中学・高校理科の教員免許を持っています。
子供のころ勉強に使っていた学習サイトを自分でも作りたくでトライし始めました!
理科の授業を「何度でもふりかえる」ことが出来るように、知識+思考力がつくサイトにしていくのでよろしくお願いします!

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