質量が変わる反応、変わらない反応
化学変化では、質量が変わる反応がありました。
さて、次の化学変化で質量はそれぞれどうなるでしょうか?考えてみてください!
①は鉄原子に酸素原子が化合して酸化鉄になると、質量が酸素原子の分大きくなります。
②は酸化銀から酸素原子が離れて、酸素分子になるので、その分質量は小さくなります。
③は鉄と硫黄から硫化鉄ができるので、質量は変わりません。
これらの質量の変化のポイントは気体が関係しています。気体は空気中から化合したり、逆に空気中に出ていくので、その分質量が変わるんです。
では、外に出入りした気体の質量も合わせて質量を測定したらどうでしょうか?
今回は密封した容器で質量の変化を調べました。
密封した容器で、反応前後の質量はどう変わる?
炭酸水素ナトリウムと塩酸を反応させると、二酸化炭素が発生します。
今回はその反応を密封した容器の中で行い、二酸化炭素が外に逃げないようにして、反応前後の質量の変化を調べました。
装置は下の写真のように、容器が二重になっていて、下に炭酸水素ナトリウムを入れて、上の小さいカップに塩酸を入れます。
この状態で容器にふたをして、しっかりと閉めてから質量を測ってから、容器を傾けて反応をさせました。
容器の中を見ると、泡が発生しているのがわかります。この泡は二酸化炭素です。
反応後の容器は反応前に比べて、ふくらんで固くなっています。このことからも、気体が発生していることが確認できます。
質量を比べると、反応前は容器の質量も合わせて65.02gで、反応後も65.02gになっていました。
反応前後で質量は変化していませんでした。
その後、容器のふたを開けてると、炭酸飲料をあけた時のようなプシュという音がして、質量を測ると、64.88gになりました。0.14g質量が減っていますね。質量が減ったのは、発生した二酸化炭素が空気中に出ていったからと考えられます。
この実験から、化学変化の前後で質量が変化しないことがわかりました。このことを質量保存の法則といいます。
スチールウールを加熱する実験も密封した容器の中で行えば、容器の中の質量は変化しません。
質量保存の法則を考えよう
化学変化とは、反応前後で原子の組み合わせが変わって、別の物質に変化することでした。
また、原子の性質の1つに原子はそれぞれ質量が決まっているというものがありました。
これらを合わせると、化学変化によって原子の組み合わせが変わっても、反応前後の原子の種類や数は変わらないから、質量は同じだったと考えられます。
例えば、水に電気を流すと、9gの水から1gの水素と8gの酸素に分解されます。鉄と硫黄の反応では、鉄7gと硫黄4gがぴったり反応した硫化鉄が11gできます。
このように、原子に質量が決まっているので、何gの物質から、何gの物質に化学変化するかがわかります。
まとめ
化学変化の前後で質量は変化しない。このことを質量保存の法則という
質量が変化する反応は、気体が関係している
コメント
コメント一覧 (1件)
質量が減ったのは、発生した二酸化炭素が空気中に出ていったからと考えられます。
と記述がありますが、容器中には空気もあったはずで、出て行ったのがすべて二酸化炭素というのは現実離れしているように感じますがいかがでしょうか?