赤ワインは何からできている?
今回のテーマはこれ!
赤ワインだ!!
そうです!赤ワインです!赤ワインを飲むとどうなりますか?
酔っぱらう!
大正解!ワインはお酒だから飲むと酔いますね。酔いの原因は「エタノール」が入っているからなんです。
エタノール?
はい、エタノールは消毒液として使われているように、殺菌作用があります。
コロナの時期にめちゃくちゃ売れてたよね
はい、お酒を消毒の代わりに販売する企業もあったくらいだね。
エタノールはいろいろな用途に利用されていて、ガラスに油性ペンで書いた文字を消したりすることもできます。
エタノールは消毒に使われる殺菌作用を持つ無色の液体
今回は赤ワインからエタノールを取り出してみます!
楽しそう!!
蒸留をしよう!
さて、赤ワインから蒸留を行ってエタノールを取り出してみましょう!
蒸留って何?
蒸留はいろいろな物質が混ざった液体から欲しい物質だけを取り出すことができるスゴイ技術です!スゴイんです!
なんでそんなことできるの?
蒸留の技術について考えていきましょう!
蒸留の仕組み
蒸留について考える前に、次の問題を考えてみましょう!
砂糖水から砂糖だけ取り出すにはどうしたらいい?
ん?難しいね
砂糖水は砂糖+水で出来ています。砂糖だけ欲しいならどうすればいいでしょう?
水を蒸発させる!
その通り!砂糖水を加熱して、水がなくなれば砂糖を手に入れることができますね♪
蒸留も仕組みは同じですが、砂糖水が固体+液体で出来ていたのに対して、蒸留は液体+液体の混合物を分離する必要があります。
液体同士だから難しいんだ
蒸留は「沸点」の違いを利用しています。
沸点?
沸点は物質によって異なる沸騰(液体↔気体に状態変化)する温度でしたね。
赤ワインの中には「水」と「エタノール」の2種類の液体が存在していますが、それぞれの沸点を示すとこうなっています。
エタノールのが低いね
そうです、ということはエタノールと水はどっちの方が低い温度で気体になるでしょうか?
エタノール!
その通り!つまり水とエタノールが混ざった液体の温度を徐々に上げていくとエタノールの方が先に気体になります。
蒸留はこの差を利用することで、物質を分離しています。今回は赤ワインからエタノールを分離するので、このような実験装置を組み立てます。
フラスコだ!
はい、底まで丸い丸底フラスコに赤ワインを入れてガスバーナーで加熱して、赤ワインの温度を徐々に上げていきます。
「徐々に」なんだ
そう!徐々に温度を上げると、エタノールは気体になるけど、水はならない温度にすることができます。
どういうこと?
エタノールの沸点は78℃だから78℃よりも高い温度では気体の状態になります。
うんうん
一方、水は100℃にならないと沸騰しないので、100℃以下では多くは液体の状態になっているわけです。
100℃で気体になるもんね。
ってことは例えば80℃の時それぞれの物質がどのような状態になっているか考えると
エタノールは78℃を超えているから気体
水は100℃より低いから液体
の状態になります。
じゃあガスバーナーで赤ワインを加熱していった時先に取り出せるのはエタノールか水のどっちでしょうか?
え~っと、エタノールの方が低い温度で気体になるから、、、
ちょっと難しいね。こういう時は78℃~100℃の間の適当な温度について考えてみましょう!
つまり、80℃だとエタノールは気体として枝付きフラスコの枝の部分から出てくることができますが、水はほとんど液体のままだからフラスコの底にたまっています。
だから気体として出てきたエタノールを取り出すことができるんです!
なるほど!
これが蒸留です!物質によって温度で状態が違うことを生かしています!
原理がわかったところで実験をしていきましょう!
赤ワインからエタノールを取り出す
じゃあ実験をしたムービーを見てみましょう!
ムービーを見終わったら詳しい解説を見てください!頑張って撮ったからチャンネル登録してくれると嬉しい♪
深く理解するぞ!
実験の準備
まず用意するのは赤ワイン!
これがないとね!
最も安いワインを買ったから容器もちゃっちいし、美味しくはなさそうですが、エタノールが入っていればいいんです!
アルコール度数って何?
アルコール度数はお酒の中にどのくらいエタノールが入っているかを教えてくれる数値です!
アルコール度数
例えば、アルコール度数8%と書かれたお酒の中身には8%のエタノールが入っているってことです。
じゃあアルコール度数11%の赤ワイン500mLの中には何mLの赤ワインが入っているでしょうか?
計算問題だ!
そうですね。(笑)でも計算してみましょう。
500mLのうちの11%だから500mL×0.11(11%)=55mLで55mLのエタノールが入っているってことです!
意外と多いね!
ですね。250mLのエタノールを一気に飲むと死んでしまうと言われているので、そう考えると赤ワインには意外にたくさん入っていることがわかりますね。
エタノールが含まれる量はアルコール度数で表される
それでは、実験の方もかんがえましょう!今回実験にアルコール度数11%の赤ワイン15mLを使いました。じゃあこの中に含まれるエタノールは何mL?
え~っと15mLの中の11%だから、、、
考え方OKです!
15mL×0.11(11%)だから赤ワインには1.65mLのエタノールが入っているってことがわかります!
この1.65mLのエタノールを蒸留で回収していきましょう!
赤ワインを入れたら突沸を防ぐために沸騰石を入れて、フラスコの上をふさぐためにゴム栓をさします。
ゴム栓に温度計を付けておくと何℃の気体が回収されているのかも調べることができます!
準備ができたら加熱していきましょう!
ちゃんと集まるかな!
エタノールの回収
ガスバーナーで加熱すると徐々に温度が上がってきました!しばらくすると1本目の試験管に液体が溜まっていました!
加熱された赤ワインの温度が上がって、中に入っているエタノールが気体になって試験管に入ってきたところを冷やして集めることができました!
78℃で温度が上がらなくなったね
いいところに気が付きましたね!
エタノールの沸点って何℃だったっけ?
78℃だ!
その通り!沸点に達したってことは液体→気体の状態変化が起きているってことです。状態変化が起きている時は状態変化のために熱が利用されるから物質の温度は上がらないんでしたね!これについては前の学習で解説されているのでコチラ↓を参考にしてください♪
78℃で止まったってことはエタノールが回収できてそうです!
1本目に1mLくらい液体が溜まったら2本目・3本目にも溜めていきます!
最終的に3本の試験管にそれぞれ1mLくらいずつ回収することができました!測らずに適当に替えたのにわりと均等な量になっていて我ながらあっぱれです(笑)
とはいえ回収できた!
はい!じゃあ取り出した液体がエタノールかどうか調べてみましょう!
取り出した液体を調べる
液体がエタノールか調べるにはどうしたらいいでしょうか?
飲む!!
確かに!エタノールを飲むと酔うから調べることもできますね(笑)でもそれはあいまいだし、今回は量も少ないので「色・におい・手に付ける・火をつける」の4つで調べていきます!
液体を調べるために脱脂綿にしみこませます。
においは写真だと伝わりませんがお酒のにおいがしていました。
脱脂綿をそのまま手の甲につけると
スースーする!
はい、これは消毒液と同じだからエタノールは多く含まれていそうです!最後に脱脂綿を燃やしてみましょう!
ワクワク
カッコイイ!
激しく燃えていることからもエタノールが多そうです!
2・3本目も同じように実験しました!
2本目の燃え方はこんな感じ。
3本目は燃えませんでした。
というわけで結果を表にするとこうなります。
色 | におい | 手に付ける | 火をつける | |
1本目 | 無色 | お酒のにおい | スースーした | めっちゃ燃えた |
2本目 | 無色 | お酒のにおい | 少しスースー | 少し燃えた |
3本目 | 無色 | しなかった | 水と同じ | 火がつかなかった |
この結果から1本目はほとんどエタノール、2本目は少しエタノールが含まれている、3本目はほぼ水ということがわかります!
最初に集めた試験管ほどエタノールが含まれる割合が高い!
今回赤ワインの中にあるエタノールの量は1.65mLというのも考えるとかなりうまく分かれていると言えるでしょう!
このように赤ワインからエタノールを取り出すのが蒸留ってことです!理解できましたか?
わかった!
解説をみた上でムービーを見ると理解が2倍深まるよ♪
今回のまとめクイズ!
お疲れ様!
次の学習も一緒に頑張ろうね!
次の学習
関連記事
アンモニアの噴水実験も面白実験だからぜひ見てね♪
コメント