アンモニアの性質を利用して赤色の噴水を作ってみた!実験方法をわかりやすく解説!

目次

アンモニアの性質

今回の学習で学ぶこと

アンモニアの性質

 水によく溶ける

 溶けるとアルカリ性を示す

アンモニアの噴水の原理

今回のテーマは「アンモニア」です!

くさいやつだ!

その通り!アンモニアといえば、おしっこのにおいですね!

おしっこの中にアンモニアが入っているの?

実はそうなんです。アンモニアは水にめちゃくちゃ溶けやすいっていう性質を持っているから血液などに溶かして体内を輸送することができるんです!

アンモニアは水によく溶ける

人間の体は食べたものを消化して分解する時アンモニアを発生させます。でもアンモニアは人体にとって有害だから肝臓で無害な尿素に変えられます。
つまりおしっこからアンモニアのにおいがするってことは肝臓がピンチ!!
詳しくはコチラの学習

アンモニアのその他の性質をまとめると次のようになります

アンモニアの性質

状態(常温常圧):気体
重さ:空気より少し軽い
色:無色
におい:刺激臭
水への溶けやすさ:非常によく溶ける
その他:水に溶けるとアルカリ性を示す

アンモニアは色はありませんが、特有の刺激臭を持つ気体です。

気体を集める時は水にめちゃくちゃ溶けやすい性質があるため「水上置換法」では集めることができません。

水に溶けて容器に集まらないんだね

はいそうです、そういう気体ってどうやって集めるか覚えていますか?

上方置換法か下方置換法!

その通り!水に溶けやすい気体は水上置換法以外の方法で集めるんでした。また、アンモニアは空気よりも軽いから上に気体を貯める「上方置換法」で回収します!

気体の集め方の復習はコチラ↓

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よく思い出せた♪

アンモニアは上方置換法で集める

これでアンモニアの性質はOKですね!それじゃ今回のテーマのおしゃれな「アンモニアの噴水」をこの性質を利用してつくってみましょう!成功すると下の写真のような噴水が見れます♪

楽しみだ♪

アンモニアの噴水

実験を実際にしたムービーを先に見たい方はコチラを見てください♪

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それでは解説をしていきます!

まずは、アンモニアを発生させるための材料を紹介します。

材料は「塩化アンモニウム」「水酸化ナトリウム」「水」の3種類です。

たった3つなんだね

はい、塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムの2つが反応するとアンモニアが発生します。水は2つの物質を混ぜてよく反応させるために入れています。

2年生で習う化学反応式で書くと
NH₄Cl + NaOH → NH₃+ NaCl + H₂O
となります。化学反応式について詳しく学びたい人はコチラ

アンモニアは工業的にはハーバー・ボッシュ法という窒素と水素を反応させてつくられています。つくられたアンモニアは肥料として土に混ぜられたり、ルームクリーニングの際の掃除やにおい消しなどに利用されています。また、アンモニアソーダ法(ソルベー法)という、ガラスの原料である炭酸ナトリウムを生成する時の有名な反応にもアンモニアが利用されています。詳しくは高校の授業で!

試験管内で2つの物質を混ぜるとアンモニアが発生しはじめます。

発生させた気体を丸底フラスコの中に上方置換法で集めます。

スゴイにおいがするね

はい、アンモニアがあふれていて激臭に耐えながら実験しています。頑張ってます。

集めた気体に濡らした赤色リトマス紙を触れさせると赤色リトマス紙が青色に変化しました

このことからアンモニアが水に溶けるとアルカリ性を示すことがわかります。

アンモニアは水に溶けるとアルカリ性を示す

次にフェノールフタレイン液を溶かした水を用意します。

フェノールフタレイン液ってなんだっけ?

フェノールフタレイン液は液体がアルカリ性か調べる指示薬です。

色の変化はこのようになっています。

フェノールフタレイン液の色の変化のムービーはこちらです!

(現在準備中(m´・ω・`)m ゴメン…)

なんでこんなに水がいるの?

この水が噴水の時に吹き出す水です!詳しい原理については後で説明しますが、ただの水だと色の変化がなくて面白くないからフェノールフタレイン液を溶かしています。

フェノールフタレイン液はおしゃれのためね

ここまで用意したら後少しです♪

最後にこのゴム栓の片側にガラス管、反対側にゴム管を繋げた器具を差し込むだけです!

先端についているのは?

このガラス管の先端についている“濡らしたろ紙”実験の1番のポイントです!ろ紙がないと実験は成功しないんです!

この実験で美しい噴水ができる理由は、アンモニアが水にめちゃくちゃ溶けるっている性質を持っているからです。

噴水が起こる原理はこうです。

噴水の原理

①ガラス管の先のろ紙にアンモニアが吸収される
②フラスコ内のアンモニアが減った分を補おうとして、下のゴム管から空気を吸い上げようとする
③ゴム管はフェノールフタレイン液入りの水に入っているから空気の代わりに水が吸い上げられる
吸い上げられた水がさらにフラスコ内のアンモニアを吸収し空気をまた吸い上げようとするループがはじまる
⑤水がアンモニアによってアルカリ性になるから赤色に変わる

アンモニアが吸収されるのが大事なんだね

そうです!フラスコ内のアンモニアが最初に少し減ることで、ループ的に

アンモニアが吸収される→水が吸われる→アンモニアが吸収される→・・・

という反応が起こります。

アンモニア以外の気体でも塩化水素のように水によく溶ける気体なら同じ噴水をつくることができます。

だからスゴイ勢いなんだ!

そういうことです!鮮やかでスゴイんです!

実験の操作をまとめるとこんな感じです。

実験操作まとめ

塩化アンモニウム水酸化ナトリウムを混ぜてアンモニアを発生させる。
②アンモニアを上方置換法で丸底フラスコの中にためる
③フェノールフタレイン液を溶かした水を用意する
先端に水で濡らしたろ紙を巻いたガラス管付きゴム栓を丸底フラスコに装着する
⑤アンモニアの噴水が完成!!

じゃあ実験の様子をムービーで見てみましょう!

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濡れたろ紙付きのガラス管を差し込むとビーカーの中の水が吸い上げられていきます。

アンモニアが減ったからだね

そうです。徐々に上に上がっていってフラスコ内に水が少し飛び出ると、アンモニアが一気に吸収されて、勢いよく噴水になります!

フェノールフタレイン液が入っているから赤色の鮮やかな水になるんですね。

鮮やかだ!

個人的に中学の実験で硫黄の実験と並んで楽しい化学実験だと思っています♪

今回のまとめ

アンモニアは水にめっちゃよく溶ける
フェノールフタレイン液はアルカリ性で赤色に変わる
アンモニアの噴水は楽しい

今回のまとめクイズ!

次のうちアンモニアの性質として間違っているものは?
アンモニアの性質
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お疲れ様!次の学習も一緒に頑張ろうね!

次の学習

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この記事を書いた人

私立中・高一貫校の現役理科教員です。
専門は生物学で、中学・高校理科の教員免許を持っています。
子供のころ勉強に使っていた学習サイトを自分でも作りたくでトライし始めました!
理科の授業を「何度でもふりかえる」ことが出来るように、知識+思考力がつくサイトにしていくのでよろしくお願いします!

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