ものを食べると太るのはなぜ?
エサを食べ過ぎて太った、、、
食べ物を体の中に入れるとその分重くなるから仕方ないね!
お腹の中に入ったのになんでだ!!!
ふむ、確かに当たり前に見えますが、少し疑問ですよね!今回は“原子”レベルのミクロな世界で質量の変化について学んでいきましょう!
今回の授業はYouTubeで実験動画付きで解説しているから、ぜひ参考にしてください↓
質量の変化と原子の出入り
ご飯を食べると太りますが、これの理由は原子には質量があるからなんです。
原子のルールってやつだね
その通り、すべての物質は原子でできていて、原子には質量があるからどんなご飯にも質量があります。
原子をお腹に入れてるから重くなるわけだ
そういうことです!
でも軽くなるのはなんで?
いい疑問だね!軽くなるってことは体から原子が出ていっているってことになります。
原子が出る原因って例えばどんなものがあるでしょうか?
汗!
大正解!汗として体の外に出ていそうですね!その他にも呼吸で二酸化炭素が出ていくなどの原因がありますね。
体重の変化=原子の出入り
化学反応の時も同じで、原子の出入りがあるかどうかで質量の変化を調べることができます!
今回は原子の出入りに注目して、実験をしていきましょう!
質量保存の法則
実験に入る前に1つクイズです!
変わらない気がするけど、、、
さてどうでしょうか?
軽くなるの!?
はい、そうなんです!この場合軽くなるんです!
謎を解くカギは「化学反応式を書くこと」です!
やっぱり化学反応式が大切か~
そうですね。
炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)を加熱すると3つの物質に分かれますが、軽くなった原因はどれでしょうか?
そもそもなんで軽くなったんだろ?
そこに注目するのが大事ですね!質量が変化する理由は原子の出入りがあるからです。3つの分子のうち、出入りしそうなのはどれでしょう?
気体の二酸化炭素!
その通り!気体の分子は簡単に出入りするから質量を変える理由の1つになります!
気体のCO₂が外に出るから軽くなる!
じゃあもう1問考えてみましょう!
密封した場合ってことね
はいそうです!気体の出入りを無くしたら質量の変化はどうなるでしょうか?
う~ん、出ていかないなら変わらなそう
さて、どうでしょう。実験して調べてみましょう!
実験
今回は「炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)」と「塩酸(HCl)」を使って、化学変化する時の質量の変化を調べてみます!
実験方法はシンプルです。炭酸水素ナトリウムと塩酸を混ぜて質量を測るだけです。
唯一のポイントはこのような容器に入れることです。
このへんな容器何?
この容器は2層になっていて、外側の容器に炭酸水素ナトリウム、内側に塩酸を入れることができるため、容器を密封してから化学反応をさせることができます。
さっきの問題の状況だね
はい、今回のポイントは“気体の出入り“だもんね。
実験をしたムービーを見て結果を確認しましょう!
質量が変わってない!
ですね!炭酸水素ナトリウムと塩酸を混ぜるとすぐに気体が発生しました!
シュワシュワだね!
反応前の全体の質量は76.81gで、
反応後の全体の質量は76.80gとほとんど変化していませんでした!
反応後の容器はパンパンに膨れていたから気体が発生していたとわかりますが、この気体が外に出られなかったから質量が変わらなかったんですね。
気体が出られないから重さが同じってことね!
はい、気体が発生しているけど、密封しているから質量が減らないんです!
つまり、化学変化が起きても気体として外に出ていったりしなければ、質量の合計は変わらないってことです!
このことを“質量保存の法則”といいます!
そのままのネーミング!
覚えやすくて助かるねっ
なぜこのようになるかというと、化学反応は原子の組み合わせが変わるだけで、原子自体は変わらないからです。
以前学習した原子のルール②の原子がなくなったり増えたりしないってやつですね。
化学反応の前後で質量の総和が変化しないことを「質量保存の法則」という
この後、容器のふたを開けるとプシュと音がして気体が抜けました。この時の質量を測るとふたを開ける前の比べて軽くなっているから、抜けた気体の分軽くなったことがわかりますね!
コーラみたいだね!
抜けた気体の分質量が軽くなる
この実験の化学反応式を書くとこのようになります。
NaHCO₃ + HCl → NaCl + H₂O + CO₂
二酸化炭素の分軽くなったってことですね。
最初の問題の答えはこうなります!
気体(CO₂)が出なければ質量保存の法則!
気体が発生しない化学反応
炭酸水素ナトリウムと塩酸の反応では、気体を閉じ込めたら質量が保存されましたが、そもそも気体が発生しない化学反応の場合、質量はどうなるでしょうか?
出入りしないから変わらない?
そんな気がしますよね!
次の実験は炭酸ナトリウムと塩化カルシウムを混ぜます!この実験の化学反応式はこう。
Na₂CO₃ + CaCl₂ → CaCO₃+2NaCl
難しいな、
今回は化学反応式については理解できていなくてもOK!気体が発生しないっていうことだけおさえておきましょう!
この実験で発生する炭酸カルシウム(CaCO₃)は石灰石のことで、貝殻の主成分だったりチョークの原料だったりします。なので、白色の沈殿として遊離してきます。
白色の沈殿=炭酸カルシウムなんだね
はい、それでは質量は変化するでしょうか?実験のムービーを見てみましょう!
白くにごった!
はい、2つの水溶液を混ぜると白くにごりましたね!
この白いにごりが炭酸カルシウムの沈殿です!
質量の変化に注目すると、化学反応の後も質量がまったく変わっていないことがわかります!
ってことはどんなことがわかりますか?
質量保存の法則が成り立つ!
そういうことです!気体が出入りしないから原子の組み合わせが変わるだけで、原子の種類や数が変化しないから質量はそのままってことです。
気体が発生しない化学反応は密封しなくて質量保存の法則が成り立つ
まとめ
化学反応は原子の組み合わせが変わるだけなんだね
そういうことです!以前、硫黄と鉄を反応させる化学反応を実験しましたね。
すごい臭いするやつ!
はいマグマを再現した超ド派手な実験でしたね。
まだ学習していない人はめっちゃ面白いのでコチラの学習も参考にしてください♪
硫黄と鉄の反応では、0.8gの硫黄と1.4gの鉄をピッタリ反応させると2.2gちょうどの硫化鉄が発生します。
ピッタリ2.2gの硫化鉄ができるのは質量保存の法則が成り立つからですね。
この時、硫黄:鉄が4:7の質量比でくっつく理由は原子量が関係しているので、それについてはコチラの学習で学んでください♪
化学反応しても原子の組み合わせが変わるだけで、種類や数は変わらない
化学反応の前後で質量が変化しないことを質量保存の法則という
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