豆電球の明るさの秘密
クリスマスツリーのライトって、1つだけ切れているのはなかなかなくて、そのあたりが連鎖して切れています。ということは、そのライトは並列つなぎをしているってことですね。
今回は、豆電球の明るさと回路のつなぎ方について学んでいきましょう!
↓回路のつなぎ方の復習はコチラ
〈実験〉
電池2個と豆電球を使って回路を組んでみました。
それぞれの豆電球の明るさに注目してみてください。
抵抗はすべて10Ωを使って回路を作っていますが、
なんか明るさが違いませんか?
電池の数は同じなのに並列回路は暗い?
抵抗とは電流を流れにくくするはたらきがありました。
ということは、抵抗が多ければ多いほど、電流が流れにくい気がしますね?
しかし!2つの抵抗を並列つなぎにしている回路は明るくて、直列つなぎは暗いですね。
同じ電圧を使っていても、抵抗のつなぎ方によって大きな電流を流すことができるんです!
これが電気の不思議ですごいところ!
この不思議な抵抗のつなぎ方と電流・電圧の関係を解き明かしましょう!
POINT豆電球の明るさはつなぎ方で変わる!
直列回路の合成抵抗
今回の課題回路のつなぎ方を工夫して豆電球を明るく光らせよう!
豆電球の明るさには電流が関係していそうな気がする、、、
というわけで、豆電球を流れる電流と電圧の大きさを調べます。
10Ωの抵抗を2つ直列つなぎにして、電圧を変えながら電圧と電流の関係を調べると、結果は表のようになりました。
結果から比例していることがわかります。
↓オームの法則の復習はコチラ
抵抗が1つの時と同じように回路全体の抵抗の大きさを考えてみましょう。
例えば電圧が5Vの時、250mA(0.25A)の電流が流れているので、オームの法則の計算に当てはめると
$5V÷0.25A=20Ω$
つまり、10Ωの抵抗2つを直列でつないだ時の合成抵抗の大きさは20Ωと言えそうです。
なんとなく2つの和で、10Ω+10Ω=20Ωとなっていそうですね!
このように、2つ以上の抵抗を合わせて1つの抵抗として考えたときの抵抗を合成抵抗といいます。
10Ωの抵抗2つを直列につないだ時、合成抵抗は20Ωということですね。
合成抵抗の大きさが2つの抵抗の和になっていれば法則ができそうですね。
抵抗の大きさを変えて実験してみましょう。
10、20、30Ωの抵抗の組み合わせを変えて合成抵抗の大きさを求めてみました。
2つの抵抗の和になっていることがわかりますね!
POINT直列回路の合成抵抗は2つの抵抗の和になる
直列回路の豆電球の明るさが暗かったのは、抵抗が大きくて電流が小さかったからっぽいですが、どうでしょうか?
並列回路の合成抵抗
次に並列回路の合成抵抗についても調べてみましょう!
並列回路の場合、豆電球が明るくなっていましたね。
だから、電流の大きさが大きくなっていると考えられますね。
10Ωの抵抗を2つ並列につないで電圧と電流の関係を調べてみましょう。
結果は表のようになり、
オームの法則で合成抵抗の大きさを求めると
$1V÷0.2A=5Ω$
になりました。
並列回路の合成抵抗は2つの抵抗よりも小さい値になるんです!
並列回路にすると抵抗のが小さくなる⁉
これが、豆電球が明るく光った理由なんですね!
しかし、不思議ですね。
2つの抵抗の組み合わせを変えて実験してみましょう!
2つの抵抗の大きさと合成抵抗の大きさの関係はわかりにくいですが、どのパターンも元の2つの抵抗のどちらよりも合成抵抗が小さくなっています。
POINT並列回路の合成抵抗は2つの抵抗のどちらよりも小さくなる
合成抵抗の式
実験の結果から10Ωの抵抗2つを使って直列回路と並列回路を作った時の合成抵抗はこのようになりました。
直列回路の合成抵抗は2倍、並列回路は半分になっている?
そんな法則がありそうですね。
合成抵抗について詳しく考えみましょう。
ポイントは「それぞれの抵抗にかかっている電圧」に注目です。
電流の大きさを調べるためには、かかっている電圧を求める必要がありますね。
直列回路の場合、電圧の大きさはそれぞれの和
並列回路の場合、電圧の大きさはどこを測っても同じ
でしたね。
それぞれの回路に10Vの電圧をかけた時の「抵抗にかかる電圧・電流」を考えてみましょう。
直列回路の電圧・電流
直列回路に10Vの電圧をかけると、2つの抵抗にそれぞれ5Vずつの電圧がかかります。
だから10Ωの抵抗Aには
$5V÷10Ω=0.5A$
で0.5A(500mA)の電流が流れます。これは抵抗Bも同じですね。
回路全体(電源)に流れる電圧と電流
「直列回路を流れる電流はどこを測っても同じ」でしたね。
だから回路全体の電圧=500mA、さらに電源装置の電圧は10Vでしたね。
つまり「回路全体を1つの抵抗」と考えた時、
10Vの電圧をかけた時、500mAの電流が流れる抵抗が1つある(合成抵抗のこと)
と考えられるんです!
じゃあその合成抵抗は10Vと500mAで計算すればいいから
$10V÷0.5A(500mA)=20Ω$
10Ω-10Ωの直列回路の合成抵抗は20Ωとわかりましたね。
POINT合成抵抗を求める時は全体の電圧と電流を求めればOK
今回は10Ωの抵抗2つで行いましたが、グラフを見てわかる通り、直列回路の合成抵抗は2つの抵抗の和になります。
式で書くと$R=Ra+Rb$となります。
文字にするとめっちゃ難しく見えますが
R→全体の抵抗 Ra→1つの抵抗(抵抗A) Rb→もう1つの抵抗(抵抗B)
の大きさを表しています。
並列回路の電圧・電流
並列回路の合成抵抗にも挑戦しましょう。
並列回路だと、合成抵抗はそれぞれの抵抗よりも小さくなりました。
同じように回路全体の電圧・電流を考えてみましょう。
並列回路の場合は、2つの抵抗に同じだけの電圧がかかるので、10Vずつかかります。
10Ωの抵抗に10Vの電圧がかかっているので、1つの抵抗に流れる電流は1Aですね。
さらに、並列回路の電流は分岐したり合わさったりすることを学びました。
なので、回路全体を流れる電流は上の抵抗を通った1A+下の抵抗を通った1Aを合わせて2Aとなります。
回路全体でみると10Vの電圧をかけて2Aの電流が流れているので、
$10V÷2A=5Ω$
となりますね。
並列回路の合成抵抗が大きくなる理由は電圧がそれぞれにかかるのに、電源を通る電流はそれぞれの抵抗の和になるからなんですね!
並列回路の合成抵抗の大きさの法則はわかりにくいですが、実はこの関係を式にすることができて、
$R=\cfrac{Ra×Rb}{Ra+Rb}$
となります!
式だと難しく見えますが、要するに
$合成抵抗の大きさ=\cfrac{2つの抵抗の積(かけ算)}{2つの抵抗の和(たし算)}$
ってことですね。
POINT
合成抵抗の大きさは
直列回路:$R=Ra+Rb$
並列回路:$R=\cfrac{Ra×Rb}{Ra+Rb}$
今日のまとめ
2つ以上の抵抗を1つと考えた抵抗を合成抵抗という
直列回路の合成抵抗は2つの抵抗の和
並列回路の合成抵抗は2つの抵抗のどちらよりも小さくなる
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