
うん!動物の汗と同じように植物も水を出して温度を下げているよ!
今回は蒸散の役割と
中学でよく出る「蒸散の計算問題」を解説するよ!
ちなみにハリネズミには汗をかいて体温を調節する機能はありません(笑)呼吸でハァハァして熱を逃します
Youtubeの方が音声があってわかりやすいので、動画が見れる環境の方はこちらの方がおすすめです!
目次
蒸散ってどんなもの?
顕微鏡で気孔を観察すると穴のようなものが見えます。

植物は自分で水を飲めないから、新しい水を手に入れるために古い水を外に出す働きもしています
蒸散の実験方法

ワセリンは乾燥を防ぐために使われる医薬品です
今回は気孔を塞ぐために使っています
↓ワセリンはこんなの↓
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ワセリンは肌を保湿するため・乾燥を防ぐために肌に塗る医療品です。ワセリンを塗ることで、その部分の気孔がふさがって気体の出入りができなくなります。
イメージでいうと、口にラップをかけたら呼吸ができなくなる。そんな感じです。

塞ぐことで蒸散の量を場所ごとに測ることができます!
今回の実験では、ワセリンを使って葉っぱの表・裏でそれぞれどのくらいの水が蒸散するのかを比較して調べます!
4枚の葉っぱを「表・裏→あり」「裏→あり」「表→あり」「両方なし」 に分けることで、表からの蒸散量、裏からの蒸散量のそれぞれを測れちゃうんだ!

蒸散量はチューブの水がどのぐらい減ったかで調べることができます。アジサイの 茎と同じ位の太さのチューブを用意して、チューブ内に水を満たして放置するとチューブの水が蒸散に使われるから、蒸散量が計算できます!

4枚の葉っぱをそれぞれ同じ長さのチューブの中に入れて、太陽の当たる場所で30分間放置しました。

蒸散の結果

そうだね!
ワセリンによって蒸散が邪魔されているね!
ワセリンを葉の表・裏両方に塗った場合、蒸散量が0cmになっているから、ワセリンによって蒸散ができなくなることがわかります。

ワセリンある=蒸散できないってことだから塗った場所に×をつけよう


つまり、裏から蒸散した量が9.7cm、表から蒸散したのが2.8cm分とわかります。

「 ワセリンを塗った=蒸散しない」表の読み取り方に注意しよう!
葉の裏側の方が蒸散量が多い
ただし、睡蓮のような水に浮かんでいる植物は表に気孔が多かったりの例外はあります

画像は編集ミスです、、、①葉の表は日光が当たって水が蒸散しにくいが正しいです
葉の裏側の方が蒸散量が多い理由
① 葉の表は、日光が当たって水が蒸散しにくい
② 葉の表には、光合成をするために葉緑体がたくさんあるから水が出にくい

表側に日光が当たるから、葉の表の細胞を縦にして光合成の効率を高めています。
逆に、葉の裏側の細胞は丸くなっていて、これは上から来た光の内、吸収されなかった光を丸い形によって跳ね返して、再び葉の表側に飛ばす働きがあります。 植物葉っぱ1枚とってもめちゃくちゃ賢いんですね!
レベルアップ問題に挑戦!
次の実験はさっきのチューブとは違って、アジサイの葉をそのまま使います。
アジサイの葉を3本取ってきて、「ワセリンなし」「表だけワセリン」「裏だけワセリン」 の3種類を用意します。 それぞれを試験管に入れて、蒸散によってどれくらい水が減るのかを測定します。

この実験では、試験管の水面に油を浮かべてから基準の線を引いています。
水の表面に油を浮かべることで、水面からの水の蒸発を防ぐ役割がある
油を浮かべておかないと水が蒸発してしまうので、植物の蒸散量とわからなくなってしまう。
蒸発と蒸散の違いは理解しておこう!

結果はこう!

さっきと同じように、ワセリンを塗った場所に✖️をどん!

残った場所に◯をつけるとこう!

表から3.6cm、裏から10.4cmだったら
全部で14.0cmになるはずなんだ!
今回の実験はチューブの実験と違うことを理解しよう!
チューブの実験では、茎の部分からの蒸散は計算しなくて良いが、今回の実験のように茎が入っている実験装置の場合は茎も計算しないといけない。

茎にはワセリンが塗ってないから、3つとも全て茎から蒸散している

ワセリンを塗らなかった葉は表と裏と茎の全てから蒸散して、その合計が12.8cm分ということです。
ワセリンを表に塗った葉は表からの蒸散ができないから、裏と茎を2つ合わせると10.4cm分の蒸散を行ったとわかります。
数式のように計算ができるので、このやり方をマスターしちゃいましょう!
「ワセリンなし」と「表にワセリン」の2つを連立方程式的な感じで書くとこのようになります!

これを引き算で計算してみましょう!
X + Y + Z = 5
Y + Z = 3
みたいなもんです!X=2は簡単にわかるよね♪

引き算すると表=2.4cmになります!
つまり、葉の表から2.4cm分の水が蒸散したってこと!
うん!式を立てて引き算するだけで蒸散量は計算できるんだ!
同じように「ワセリンなし」と「裏にワセリン」を比較してみましょう!


てことで、引き算をすると、裏からの蒸散量は9.2cmと計算できちゃいます!
表からの蒸散量が2.4cm、裏からの蒸散量が9.2cmで全体の蒸散量(表+裏+茎)が12.8cmだから引き算すれば
12.8-2.4-9.2=1.2cmになるから茎からの蒸散量は1.2cmとわかります!

蒸散量 の計算は
①それぞれの条件の蒸散できる場所を考える
②方程式をつくる
③計算する
の手順でやるとどんな問題でもできます!
まとめ
基本葉の裏側の方が蒸散量が多い
蒸散の計算は
- ①ワセリンの有無で蒸散場所を表にする
- ②数学の式っぽくする
- ③引き算して計算する
- ④余った茎も計算してあげる
今回のまとめクイズ!
一番蒸散量が多くなると考えられるのは、どのアジサイの葉?
一番蒸散量が多くなると考えられるのはどのアジサイの葉?
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次の学習
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