生物によって全然違う!食べた養分を体に取り入れる方法

草食動物と肉食動物の体の違い

ソーセージの作り方を知っていますか?

ソーセージは薄くて丈夫な動物(羊や豚)の腸を洗ってから肉を詰めてつくります。よく売られているソーセージは10㎝くらいのものが多いですが、もともとのソーセージに使われている腸はとてもとても長く、20~30mほどもの長さです。人間の腸の長さは6,7mくらいです。

なぜ、羊と人間で腸の長さがこんなにも違うのでしょうか?

それは、食べているものが違うからです。羊が食べているものはほとんど植物です。植物は動くことができないので、細胞を強くするために細胞壁を作ってるんでした。羊の腸は強い植物の細胞を取りこむため長くなっているんです!

ちなみに、歯のつくりも草食動物と肉食動物では、全然違います。

今回は草食動物と肉食動物で全然違う腸の役割について学んでいきましょう!

腸が効率よく養分を取り入れられる秘密

栄養素は消化器官によって消化され、ブドウ糖やアミノ酸などの小さな物質に変化されました。消化されてできた物質は体の中に取り入れられ、エネルギーや体をつくるもととして使われます。

このように消化された養分を体内に取り入れることを吸収といいます。

小腸は消化液の分泌も行っていますが、吸収も行っています。ヒトの小腸は約3mですが、効率的に吸収するための秘密があります

それは、小腸の壁に存在する「ひだ」です。壁の内側には左のイラストのようなひだかついていて、そのひだを拡大して見ると、ひだからもさらに突起が出ていて、これを柔毛といいます。

小腸の壁の内側はこのように、ひだと柔毛でデコボコしていますが、なぜ小腸の壁はこのような構造になっているのでしょか?

小腸の役割は養分を吸収することです。小腸の壁の内側がデコボコになっていると、小腸と養分が触れ合う面積が大きくなります触れる面積が大きいほど養分が取り込まれやすくなるため、吸収する効率が上がります。

柔毛の役割は小腸の表面積を大きくすることというわけです。

小腸の外側の表面積は約3800㎝³程度なのに対し、内側の表面積はその600倍にもなり、広さでいうとテニスコートと同じくらいです。わずかな突起にもかかわらず、たくさんの数があることによって、効率よく養分の吸収ができるようになっています。これは植物の根毛と同じ仕組みです。

 

小腸の柔毛の長さは1mm程度ですが、柔毛には毛細血管リンパ管2つの養分を運ぶ役割を持つ管が通っています

2つの管の太さを比べると、リンパ管は少し太いです。消化された養分の内、小さなブドウ糖とアミノ酸は毛細血管から吸収され、肝臓に運ばれます。

一方、脂肪が消化されたモノグリセリドと脂肪酸は大きいので、毛細血管には入ることができません。なので、この2つは柔毛から吸収された後、再び脂肪に戻されてからリンパ管に入り、首のしたの太い血管に合流します。

こうして吸収された養分は全身の細胞に運ばれ、細胞の呼吸などに利用されます。

まとめ

消化された養分を体内に取り入れることを吸収という

小腸には柔毛があり、表面積を大きくして効率よく吸収する役割をもつ

ブドウ糖とアミノ酸毛細血管に、モノグリセリドと脂肪酸リンパ管に入り運ばれる

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この記事を書いた人

私立中・高一貫校の現役理科教員です。
専門は生物学で、中学・高校理科の教員免許を持っています。
子供のころ勉強に使っていた学習サイトを自分でも作りたくでトライし始めました!
理科の授業を「何度でもふりかえる」ことが出来るように、知識+思考力がつくサイトにしていくのでよろしくお願いします!

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